2025.06.23 「縦型動画」制作をAIで効率化 電通デジタルと米メタの日本法人が提携

「∞AI」の全体図

 電通デジタルは米IT大手メタの日本法人、フェイスブックジャパンと、人工知能(AI)領域で提携すると発表した。これを機に両社は、画像共有アプリ「インスタグラム」の縦型動画の制作を大幅に効率化するワークショップを提供。ブランドの訴求力を高めたい企業などのニーズに応える。

 両社が共同開発したワークショップは「IG AI Creative Studio」。縦型動画づくりに必要なインサイト(洞察)分析からクリエーティブの企画や効果予測に至る全工程で、電通デジタルの担当者やAI でマーケティング活動を支援するソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」などを生かす。最短半日で縦型動画を生成できるようにする。

 具体的には、まずターゲットとなるユーザーを分析。続けて、分析データをメタのAIに入力し、ペルソナ(人物像)を生成する。次にペルソナに最適な縦型動画の企画を生成AI が立案し、その企画内容を絵コンテに仕上げる。最終的にはそのコンテを動画化し、担当者による調整を経て動画コンテを完成させるという流れ。

 また電通デジタルは、メタのデータベース「広告ライブラリ」に掲載された広告をAIとの対話形式で検索できる「広告ライブラリエージェント」を開発し、社内で運用を始めた。

高度なマーケティング支援

 両社は企業のマーケティング支援に向けて、自律的に業務をこなすAIエージェントの展開に注力。電通デジタルを含む国内電通グループ4社が開発する「統合マーケティングAIエージェント」に、メタが保有する多彩なソリューションを組み込む予定だ。

 電通デジタルのムゲンエーアイは、生活者が商品やブランドを発見・理解しファンになることを支援する3つのアプリケーションとそれらを支える基盤で構成。3月には同ブランドの大型アップデートを行い、社内で本格運用を始めた。これらにAIエージェントを導入し、デジタルマーケティング支援の高度化を目指している。