2025.10.22 ネクスティ、小型車両・ロボットの頭脳になるVCU、走行・制御・通信を一括制御
デンソーテンが開発したVCUは小型車両やロボットの頭脳になる
小型車両やロボットの頭脳として走行、制御、通信を一括して管理できる標準仕様の車両制御ユニット(VCU)が登場した。これまで別々の電子制御ユニット(ECU)に分かれていた機能を一つの部品に集約でき、開発の手間を省けるほか、ECU間の連携や調整にかかる工数や、専門知識を持つ人員にかかる負担も減らせる。デンソーグループのデンソーテン(兵庫県神戸市)が開発し、豊田通商グループのエレクトロニクス商社ネクスティ エレクトロニクス(東京都港区)が取り扱う。
大型の電池駆動動車(BEV)よりも、ゴルフカートなどの小型モビリティーや農建機、工場や倉庫内を走り回る無人搬送車(AGV)、自律走行搬送ロボット(AMR)向け。多軸ロボットアームに搭載し、高精度なパルス幅変調(PWM)制御にも使える。
デジタル入出力をはじめアナログ入力、PWM入出力、通信インターフェースを搭載。マイクロコントローラーユニット(マイコン)を動作させるための複雑な機能や設定を使いやすくまとめアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)にした「オープンPF」と、それに連携するソフトウエア開発キット(SDK)が利用でき、導入企業がブロックの組み合わせで容易に制御ソフトを設計、実装、評価できる。ハンドコード開発とモデルベース開発のどちらかを好みに合わせて選べる仕様だ。このほかGセンサー、ジャイロセンサー、Bluetoothをオプションで内蔵可能。
ネクスティは、従来取り扱っていた小型モビリティー向け動力ユニットや、車両制御用の電子コントローラー機能を内蔵したモーターインバーターである豊田自動織機製「NEOSコントローラー」と組み合わせたソリューションを提案する考え。部品ごとの調整や開発負担を軽減し、システム全体の最適化、開発期間の短縮が可能とする。日本はもちろん韓国、中国、東南アジア、北米、欧州などにも展開する予定だ。