2025.12.17 KDDIとローソン 大阪に「Real×Tech LAWSON」2号店オープン 他企業のオフィスへ展開目指す

大阪にオープンしたローソンKDDI大阪第2ビル店

揚げたてのホットスナックを販売していることを告知するデジタルサイネージ揚げたてのホットスナックを販売していることを告知するデジタルサイネージ

 KDDIとローソンは16日、リアル店舗にデジタル技術を融合した「Real×Tech LAWSON」の2号店となる「ローソンKDDI大阪第2ビル店」(大阪市中央区)を、KDDI大阪第2ビルの社員専用フロアにオープンした。東京都港区の高輪ゲートウェイにあるKDDI本社で運営している「ローソン S KDDI高輪本社店」(東京都港区)で反響の大きかった技術を展開。より汎用性の高い店舗になっており、今後、他企業のオフィスへの展開も目指していく。

 2号店は、将来的に他企業のオフィスへの展開する際のショールームとしての活用も見込み、大阪にオープン。飲料や弁当、菓子などを扱う。第1ビルと第2ビルに勤める約2000人の社員が利用できる。高輪本社店で得られた知見を生かした売り場づくりが特徴だ。

 商品購入時は、「オフィスローソンアプリ」を使い、アプリ上で商品をスキャンし決済を行う。高輪本社店では、同様の仕組みにより、朝や昼の混雑する時間を含めた店舗の平均滞在時間が2.5分と短時間での買い物が可能となった。アプリは、社員IDと連携させると社員向けのクーポンが配信されるほか、割引対象商品を確認できる機能も搭載されている。

 商品棚の上に設置したデジタルサイネージは、人気商品のランキングやおすすめ商品などの情報を流している。からあげなどのホットスナックが完成したことを告知する演出は、実際の購買にもつながっているという。高輪本社店のサイネージと一括管理をすることで、店舗運営の効率化を目指した。

 省人化を実現するため、飲料の自動陳列ロボットも導入している。

飲料の自動陳列ロボット

 店内には、AI(人工知能)カメラを10台設置し、顧客の年齢や性別、行動を解析。集めたデータを基に最適な棚割りを検討する。

 店舗近くにある休憩スペースには、通信や医療など生活インフラの専門スタッフによる遠隔接客を受けられる「Pontaよろず相談所」を設置。服薬指導や薬の配送サービスの需要が高く、休憩室に設置することで、利用が進むとみている。

Pontaよろず相談所では服薬指導など専門スタッフによる遠隔診療が受けられる

 1月には、第1ビルの社員食堂内にスイーツなどを取り扱うサテライト店舗を出店予定だ。東京都新宿区の同社の事業所にも同様の店舗を出店する。これまでの知見を基に来年度中には、他企業への展開も進めていく計画だ。

 KDDIの久木浩樹執行役員は「ロボットや人の動きのデータ化が出来てきているため、パッケージ化し、まずは当社のオフィス内に水平展開し、将来的には商用化していきたい」と展望を語った。