2026.02.27 AIとIPで映像制作改革 パナソニックエンターテイメント&コミュニケーション、イメージングソリューション事業部・谷口昌利事業部次長
KAIROS軸に効率化・高度化を加速
2025年の放送映像業界では、効率化と自動化へのニーズが急速に高まった。当社も人工知能(AI)やIP技術を活用した映像制作ワークフロー最適化への取り組みをさらに強めた。具体的なソリューションとして、ソフトウエアで画質調整とカメラ管理のワークフローを革新する「Media Production Suite」やIT/IPプラットフォームKAIROS(ケイロス)などを提供した。AI技術活用としては、映像撮影時の自動追尾やフレーミング調整、編集工程で必要な部分のみを自動で切り出す処理などを追求している。
効率化や自動化の動きは企業教育市場でも広がってきている。中でも、リアルタイム翻訳やVR(仮想空間)背景合成といった高度な表現へのニーズも高まっており、これらを柔軟かつ効率的に支える基盤として、IPをベースにしたシステム構築の重要が増している。この市場ではNDIやSRTなどが良く使用されているが、当社のリモートカメラはサポートできる。
放送のスタジオであれば、放送など業務系映像をIPネットワーク上で通信するための規格を発展的にまとめたSMPTE標準規格「ST 2110」などスタジオの規格に基づいたIP化が浸透してきている。自社商品だとKAIROSやシステムカメラ、ハイエンドのリモートカメラが準拠しており、時代の先端をいく放送システムの構築や、効率的な撮影現場に貢献している。また、放送スタジオだけでなくライブ配信やステージングなどでもST 2110は活用されてきており、クラウド上のデータとも組み合わせ、演出用途などにも使用されている。
さまざまな業界で使用されているリモートカメラは、ハイエンドモデルからミドルレンジモデル、エントリーモデル、屋外対応モデルなど用途に応じた使用ができるよう、大きく分けて四つのレンジで展開している。
映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE」は毎年出展しているが、25年はKAIROSや多様なカメラ群などを展示し、好評だった。26年も引き続き、映像制作の効率化とコンテンツの高度化・高品質化などに対応していく。プロフェッショナル向けにとどまらず、ミラーレス一眼カメラ「LUMIX」をはじめとするコンシューマー向け製品部門との一体的な商品開発体制も軌道に乗りつつある。この体制のもと、商品開発をより一層強化していく。
取り巻く経営環境では、米国市場で関税影響が一部見られたものの中国からの供給における関税影響も緩和されたため、影響は限定的だった。一方、欧州や中国では景気低迷の影響は色濃くでてきており、懸念要素がある状況だ。
24年から統合した民生用と業務用のカメラ事業で互いの知見を掛け合わせて、AIやIP技術で効率化を進め、これまで提供できてこなかった価値をハードウエアとソフトウエアの両面から作り出していきたい。今後も、映像コンテンツの価値向上に取り組み、放送映像業界への貢献をしていく。










