2026.04.25 日立プラントサービス、手技AI解析ソリューション開発 作業者の暗黙知を定量化し品質向上

 日立プラントサービスは24日、日立製作所の研究開発グループと連携し、作業者の手技をAI(人工知能)で解析するソリューション「FREEDi-SHUGY(フリーディ・シュギー)」を開発したと発表した。病理検査工程や製造ラインでの一連の操作・動作をデータ化し、安全で高品質、効率的な業務を支援する。

 新ソリューションは、作業者の手と対象物(ツール)の動きや位置関係を時系列の3次元(3D)情報として計測、データ化する。熟練者が持つ経験や感覚に基づく暗黙知を定量解析し、現場の属人化解消や作業品質の向上につなげる。

 日立プラントサービスは、同ソリューションを次世代AIソリューション群「HMAX Industry」を支えるデジタライズドアセットとして展開する。日立産機システムの安全キャビネットに組み込んで提供するほか、蓄積したデータを活用し、現場作業者のスキル向上を支援する教育ソリューションサービスとしても展開する。

 現在は、製薬・創薬現場でのPoC(概念実証)を通じて有効性を確認している。国立がん研究センター東病院の病理・臨床検査科、臨床検査部では、病理工程の一部作業の見える化やスコア化に向けた検証を進めるなど、製薬・医療現場での実用化に向けた取り組みを本格化している。

 背景には、厳密な品質管理が求められる無菌操作や製造ラインで、手順のわずかな違いが品質や安全に大きく影響する課題がある。従来は人の目による確認が中心で、定量的な作業記録の蓄積や問題発生時の事後検証が難しかった。労働人口の減少に伴い、経験の浅い作業者が作業を担う場面が増えていることも現場課題となっている。

 技術面では、複数台のカメラ映像から作業者の手の動きと対象物の姿勢を検出し、時系列の3次元座標情報としてデジタルツイン化する。取得した情報から手の軌跡、対象物を動かす速度、角度の変化量などの特徴量を算出し、標準モデルの構築を目指す。

 さらに、現在の作業工程をシステムが自動判定し、モニターに表示する機能の開発も進める。標準作業から逸脱したリスクの高い行為を事前に検知し、リアルタイムで警告(アラート)を出すことで、作業品質の向上とミスの発生防止を支援する。

 今後は、医薬・バイオ分野での適用を進め、半導体やバッテリーなどの産業分野におけるメンテナンス、プロセス領域にも展開する。将来的には、熟練者の手技情報を標準モデル化し、ロボット制御への応用も視野に入れる。人とロボットが協調する現場の最適化を通じ、研究・開発から製造・現場までをつなぐ取り組みを加速する。