2026.07.27 弱酸性軟水、肌の保湿・バリア機能への効果を確認 パナソニック HVAC & CC

弱酸性軟水による肌の保湿・バリア機能への効果を初めて確認できた 

 パナソニック HVAC & CCは、神戸大学との共同研究により、弱酸性の軟水を用いた洗顔が肌の保湿・バリア機能に効果があることを確認した。弱酸性の軟水を日常的な洗顔で継続使用し、皮膚への影響を評価したヒト介入試験は世界で初めて。

 一般的に肌のバリア機能を保つには、肌表面を弱酸性に維持することが重要とされている。

 ただ、洗顔後に水道水で洗い流すことで、肌が水と同じ中性付近へと傾くことが今回の研究結果から明らかになった。

 また、水道水にはカルシウムやマグネシウムが含まれ、これらがせっけん成分と反応し「せっけんカス」を生成。肌に付着することが肌の乾燥を招く一因となることも知られている。

 同社はこれまで、グローバルに水事業を展開する中で、水の安全性や清浄度を追求してきた。研究を深化させる中で、単なる安全・清浄にとどまらず、「水質そのものが生活者の体感や身体へ影響を与えている可能性」に着目。

 水質を弱酸性に調整し、同時にカルシウムやマグネシウムを除去した「弱酸性軟水」を開発し、肌状態への効果検証を行った。

 検証で使用した水は、弱酸性軟水(pH 4.2±0.4、硬度10 ppm以下)、中性軟水(pH 7.8±0.7、硬度10 ppm以下)、参加者宅の水道水(pH 7.2±0.4、硬度60~120 ppm)。試験期間は2025年2~4月。

 今回、27人(うち男性10人)の研究参加者に対し、日常の洗顔時に使用する水を水道水から研究用に開発した「弱酸性軟水」に切り替え、肌状態の測定と主観評価を行った。

 その結果、バリア機能を評価する指標の一つ経表皮水分蒸散量(TEWL)が19%改善し、これにより、肌の水分が外へ逃げにくくなり、バリア機能の維持効果が期待できる結果となった。

 また、皮膚のうるおいの指標である角層水分量、はりの指標である皮膚粘弾性でも改善が見られた。

 角層水分量では、弱酸性軟水・中性軟水の両方で数値の上昇(良化)が見られたことから、カルシウムやマグネシウムを除去した軟水そのものが、肌の保湿力改善に寄与することが分かった。

 皮膚のはり・引き締まりを評価する指標の一つ皮膚粘弾性(RO値)では、弱酸性軟水使用群で水道水使用時と比較して数値が低下。有意な改善効果が確認された。

 さらに主観評価(アンケート)でも、「しっとりする」「すべすべする」といった項目で評価の向上が確認された。これらの結果は、洗顔に弱酸性軟水を用いることで、肌表面が速やかに肌本来の弱酸性域へと回復しやすく、肌環境が整うことでバリア機能の維持に寄与した可能性を示唆しているとする。

 弱酸性軟水が肌状態を良化させたプロセスとして、同社では二つのアプローチによる作用機序仮説を立てている。

 一つは軟水効果(せっけんカスの低減)。水道水中の硬度成分を除去した軟水を使用することで、肌表面での皮膚残渣(せっけんカス)の生成・付着が軽減することで、角層水分量の向上がもたらされる。

 もう一方は、弱酸性効果(即時的・長期的肌環境改善)。弱酸性の水が持つ収斂効果により、洗顔直後から肌を引き締める。長期的に使用することで皮膚表面のpHが安定的に低く保たれ、コリネバクテリウムなどの悪玉菌がすみにくい皮膚常在菌環境へと改善。

 結果として肌のバリア機能(TEWL)が強化され、外部刺激からの防御力が高まることで、肌の赤み、かゆみ、肌荒れといった炎症を抑制する効果が期待できるというもの。

 神戸大学大学院 海事科学研究科 辻野 義雄特命教授は「軟水化することで、刺激の原因となる微量なせっけんカスや金属イオン由来の沈殿物の皮膚への付着を減らせたことと、弱酸性化することで、洗顔に伴うpHの上昇を抑えられたことで、常在菌叢にストレスを与えなかったこと、これらの組み合わせが良好な皮膚状態につながったと考えられる」とコメントしている。

 なお、同社は今後この技術を用いた製品化を検討していく。