2026.09.29 ビルOS「Facibble」、福岡で初導入 スマートビル実現へ パナソニック EW
標準化したAPIと柔軟なサービス拡張により、変化に対応できる建物運営を支援
パナソニック エレクトリックワークス(EW)は、建物設備のデータをクラウド上で収集・管理し、APIを介してさまざまなアプリケーションやサービスと連携できるビルOS「Facibble(ファシブル)」が国内で初めて福岡市の「天神ビジネスセンターⅡ」に導入されたと発表した。
Facibbleは、これまで個別案件向けに提供してきたものを、サービスを標準化して3月21日に発売し、幅広い建物への導入を目指していた。
サービス標準化の第1号案件となった天神ビジネスセンターⅡは、福岡地所(福岡市博多区)、九州電力、クラフティアで構成される特別目的会社の天神一丁目761プロジェクト合同会社と、福岡地所が開発。
Facibbleは、空調、照明をはじめ建物設備のデータをクラウド上で収集・管理し、APIを介して各種アプリケーションや外部サービスで活用、建物内設備の制御などができるデジタル基盤。
建物ごと、設備ごとに個別構築されてきたシステムやデータをつなぎ、竣工(しゅんこう)後も利用者ニーズや社会環境、技術の変化に合わせ、建物の機能やサービスを継続的に追加・改善できる環境を提供する。
これまでは、個別案件に対応する形で提供してきたが、これまでの実績から獲得したノウハウや顧客ニーズを基に今回、クラウド基盤、提供機能、導入手順、サービス仕様などを標準化し、幅広い建物への導入を可能とする標準サービスとして提供を始めた。
福岡地所とパナソニックEWは、2023年12月から24年3月まで、天神ビジネスセンターで次世代オープンビルプラットフォームの実証実験を実施した。
同実証では、建物内の設備や運営に関する情報をAPIとして活用し、建物管理スタッフの位置情報、業務用エレベーターの稼働情報、作業の進捗(しんちょく)状況などを可視化するアプリケーションを試験導入。
これにより、建物データを外部アプリケーションで活用するための仕組みや、建物管理業務の効率化に向けた可能性を検証した。
こうした経緯を経て、今回標準サービスとして提供を開始したFacibbleが天神ビジネスセンターⅡに、日本で初めて導入された。
天神ビジネスセンターでの実証を通じて得た知見を実際のビル運営へ展開し、取り組みを実証段階から実装段階へ進めるものとなる。
天神ビジネスセンターⅡでは、Facibbleを基盤として建物内の各種データを収集・管理し、その一部をAPIとして活用できる環境を整備する。
今後、ビルデータの利活用やアプリケーション、サービスの拡張を通じて、竣工後も利用者やテナント、サービス事業者とともに進化し続ける次世代スマートビルモデルの構築を目指していく。
建物のLTV向上へ
Facibbleは、建物内の中央監視システムなど多様な設備と連携し、空調、照明をはじめ設備の状態や稼働データをクラウド上で収集・管理する。
建物内に閉じていた設備データを共通のデジタル基盤上で扱えるようにすることで、設備情報の可視化や分析、アプリケーションでの活用を可能とする。
Facibbleに収集したデータは、標準化したAPIを介してアプリケーションやクラウドサービスから利用できる。
建物設備とアプリケーションを直接個別に接続するのではなく、Facibbleを介して連携することで、新たなアプリケーションやサービスの追加・変更を容易にする。
設備システムを大規模に改修することなく機能拡張が可能で、利用者ニーズや技術の進展に応じて建物機能を継続的に進化させることができる。
データ活用に基づく伴走支援で、運用開始後も建物価値の維持・向上(ライフタイムバリュー=LTV)にも貢献する。
Facibbleに蓄積された設備データや利用実態データを分析し、建物運用における課題抽出や改善提案を継続的に実施し、設備の修繕・更新の最適化、利用者満足度向上、運営効率化などを支援していく。
近年、建物を取り巻く環境は、人手不足や建物管理業務の高度化、脱炭素・省エネルギーへの対応、働き方や利用者ニーズの多様化、デジタル技術の進展などにより、大きく変化している。
一方、従来のBAS(Building Automation System)では、建物ごと、設備ごとにシステムが構築されることが多く、設備データを外部のアプリケーションで活用するには、個別のシステム開発や調整が必要だった。
竣工後に新たな機能やサービスを追加する際には、設備機器の更新やシステム改修を伴う場合があり、変化するニーズに迅速に対応することが難しいという課題もあった。
同社は、今後Facibbleをオフィスビルをはじめとするさまざまな建物へ展開しながら、建物設備、アプリケーション、クラウドサービスとの連携を拡充していく。
長年培ってきた中央監視、照明、入退管理、防災などの建物設備に関する知見とFacibbleを組み合わせることで、設備データの収集・連携にとどまらず、建物運用上の課題整理やデータ活用、サービス導入まで一体的に支援する。
ビルオーナーやデベロッパー、管理会社、テナント、サービス事業者などとの共創を通じ、設備管理の効率化、省エネルギー、利用者の快適性向上、建物運用の高度化などの課題の解決に取り組み、持続的に価値を高めるスマートビルの実現を目指す。












