2026.10.24 全固体電池材料の評価技術開発でNEDO事業に採択 量子コンピューター活用 シャープとQunaSys
量子コンピューターなどの計算環境の基、全固体電池材料の候補選定や材料設計に有効な計算技術確率を目指す
シャープとQunaSys(東京都文京区)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「NEDO懸賞金活用型プログラム/量子コンピュータを用いた社会問題ソリューション開発」(NEDO量子懸賞金事業)の第2期(Season2)に採択された。
技術開発の内容は「量子コンピュータを用いた全固体電池材料の評価技術の開発」に関するもので、第1期(Season1)の成果を基に、技術開発を発展させ、計算対象を拡大することで実材料に近い評価に取り組む。
NEDO量子懸賞金事業は、「Society 5.0」「QoL」「Cool Japan」の三つの課題領域で、量子コンピューターを活用した解決策や研究開発提案を募集する取り組み。
採択されたチームには、量子コンピューターなどの計算環境を提供し、研究開発を支援。優れた成果に対しては懸賞金を交付する。
両社は、Season1で懸賞課題の一つ「量子コンピュータを用いた化学・素材産業におけるサーキュラーエコノミーを実現するための多目的最適化」に対し、全固体電池材料の探索・評価に量子コンピューターを活用するための計算技術の研究開発を実施した。
全固体電池の材料開発では、材料(固体電解質)中でのイオンの移動しやすさを把握することが重要となる。
両社は、イオンの移動に必要なエネルギーの評価に量子計算を適用し、量子コンピューターによる検証を行った。シャープは、電池全般や材料に関する知見を基に、材料開発で評価すべき項目や求められる精度を明確化した。QunaSysは、量子化学・量子アルゴリズムに関する知見を生かし、それらの評価項目を量子計算で扱える形に落とし込むことで、計算手法の構築・検証を行った。
その結果、量子コンピューター活用により、全固体電池材料の性能を、より高精度・効率的に評価できることを確認した。
Season2では、材料ごとのイオンの移動しやすさの違いをより適切に評価し、材料候補の絞り込みや材料設計に生かせる計算技術の高度化を目的に、Season1に引き続き量子コンピューター活用による検証を進める。
従来のコンピューターと量子コンピューターによる計算の組み合わせにより、より多くの原子を含む複雑な材料を計算対象にし、計算精度の向上にも取り組む。
両社は、同事業を通じ全固体電池材料の候補選定や材料設計に活用できる計算技術の確立を目指していく。
将来的には、計算結果を材料の合成と評価に反映することで、試作評価の効率化につなげるとともに、開発で培った量子コンピューティング活用の知見を、幅広い事業分野に展開していく。













