2020.07.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】グローセル顧客第一主義で提案

石井 社長

 グローセル(Glosel)は、19年7月1日付でルネサスイーストンから商号を変更し、1年が経過した。

 石井仁社長は「新社名のもとで半導体商社としての原点に戻り、顧客第一主義に徹した営業や技術ソリューションの提案力の強化に取り組んでいる。半導体単体ビジネスから、STREAL(ストリアル)を活用した付加価値ビジネスへの転換を図り、収益向上を目指す」と事業方針を語る。

 新体制初年度の業績は、米中貿易摩擦や今年1月からの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて減収減益を余儀なくされた。

 20年度(21年3月期)も引き続きコロナの影響が懸念されることから、19年度から推進している中期経営計画「SSG2021」を見直し、業績予想は未確定ながら「目標値」として売上高720億円、営業利益1億円、経常利益1億8100万円、当期純利益1億6300万円の増収増益目標を掲げる。

 ルネサスエレクトロニクスの先端製品を軸にしたデザイン活動により自動運転、IoT、スマートファクトリー、産業用ロボット、医療、建機分野など重点分野で「ワンストップソリューション」を強化する。

 新規ビジネスは、自社ブランド製品の高感度半導体ひずみセンサー「STREAL」を軸としたIoTソリューションの提案を加速する。STREALは2・5ミリメートル角チップにセンサー素子と周辺回路(A/D、アンプなど)を集積し、1με(マイクロストレイン、1キロメートルの物体が1ミリメートル伸び縮みするひずみ量)を測定可能とする。同製品を搭載したセンサーモジュールやシステム(コンポーネント)を製造・販売し、社会インフラ・産業・医療など幅広い分野に向けて拡販し、既にエレクトロニクス以外の業界からも多くの引き合いがある。19年度の「日本機械学会賞」を受賞した。

 新たに、せん断ひずみが計測できるモジュールの販売を始めた。他軸感度0.5%以下の高性能トルクセンサーを21年に販売を開始する計画である。

 グローバル化も加速する。