2020.07.21 【家電総合特集】掃除機コードレススティックが主力、より軽量でハイパワー

新型コロナで室内の清潔性への関心が高まり、コードレススティック掃除機中心に需要は旺盛だ

 掃除機市場では、共働き世帯の増加により、家事負担の軽減や時短に対するニーズが強まり、近年売れ筋商品が変化している。

 従来は一般的だったキャニスタタイプに変わり、コードレススティック掃除機が主力商品となっている。

 コードレススティック掃除機は、使いたい時にすぐに使える手軽さから需要が伸び、18年には台数構成比でキャニスタ掃除機を上回っている。

 スティックタイプの掃除機は、過去から既にラインアップにはあったものの、コード付きだったり、充電式であっても電池の性能により長時間使えない、パワーが不足するなど、使い勝手の面で大きく普及はせず、2台目の補助的な掃除機として使われるにとどまっていた。

 近年のコードレススティック掃除機は、性能が大きく進化しており、運転時間の長さはもとより、パワーの面でもメーンの掃除機として使えるまで向上している。片手でも取り回しのしやすい使い勝手の良さと相まって、需要を大きく伸ばしている。

 市場では高齢化の進行や共働き世帯の増加により、家事負担の軽減に対するニーズが高まる一方で、掃除機においてはスティック式でも、キャニスタ型でも小型・軽量化が開発の大きな方向性となっている。

 また、ユーザーの掃除スタイルも変化している。従来のように毎日決まった時間に掃除をするのではなく、週末のまとめ掃除や、汚れが目立っている場所をその都度サッと掃除するというスタイルに変化している。

 こうした背景から、軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機への関心が高まっている。

 併せて、新型コロナ感染症拡大で、在宅の時間が増えたことから、室内の清潔性への意識は一層高まることになり、今期に入って需要は旺盛だ。コードレススティック掃除機を中心に、商戦は活発な展開を見せる。

 コードレススティック掃除機を購入するユーザーは、4割強がキャニスタタイプからの買い替えで、5割弱がキャニスタに買い増しのユーザーという。

 キャニスタタイプからコードレススティック掃除機に買い替えることは、まさに掃除のメーンにこれを使用するというユーザーが着実に増加していることを表している。

 また、買い増しユーザーは汚れが気になるときに気になる場所を〝サッと掃除〟するという使い方で、購入していく。

 メーンの掃除機として使うユーザーは、購入重視点として吸引力の強さ、本体の軽量化などに対するニーズが強い。キャニスタタイプに匹敵する掃除性能や吸引力を求めるため、掃除性能が重視される。

 メーカー各社では、商品戦略として、より軽量、よりハイパワー、さらには電池性能の向上で使用時間の増加、といった方向に開発の軸足を置いている。

 このほか、家事の時短、負担軽減に対するニーズに応える商材としては、ロボット掃除機もある。

 掃除機は幅広い商材に恵まれ、販売店にとって提案しやすい商材の一つだ。新型コロナによる清潔ニーズの高まりを背景に、今期は活発な商戦展開が見込めそうだ。