2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】NECプラットフォームズ 福田公彦社長

「新しい日常」のニーズに応える  

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて世の中がどのように変わるかを考えながら、提供するソリューションも変える必要がある。今年度上期には、コロナを機に訪れた「ニューノーマル(新しい日常)」時代のニーズに応える多彩な商材を相次いで発表した。

 例えば、人やモノへの接触を避ける「対面レス」「タッチレス」をキーワードに様々なプロセスを効率化するニーズに対応。サービスステーション(SS)用サービスとして4月から、来店客がスマートフォンのアプリを操作するだけで給油がオーダーできる「スマホで給油オーダー」の提供を始めた。SS到着後は給油機コードを読み取るだけで給油でき、決済まで完了する。

 さらに、コミュニケーション型ロボット「PaPeRoi(パペロアイ)」を活用して高齢者を見守るサービス「みまもり パペロ」の展開にも注力。高齢者は非対面で家族とのコミュニケーションを図れる。静岡県藤枝市や福井県坂井市など、様々な地域で実証実験を行っている。

 コロナを機にテレワークが広がる動きにも対応し、自宅とオフィスをつなぐネットワークパッケージ「UNIVERGE Aspire WX」の提案にも力を入れている。

 コロナの影響で足元の事業環境は厳しいが、その落ち込みをリカバリーして当初の年間計画はやり切りたい。下期は変動する市場を見極めながら、ニューノーマル対応の商材を積み上げていきたい。来年度以降を視野に、新たな商材を仕込む作業も進めていく。

 社内のリソースを活用して新しい市場に対して何を打ち出すのかについて考える横断組織「ビジネス開発本部」を、4月に新設した。既存の商材を組み合わせて素早く市場を開拓することもミッションだ。そのスピードを速めるため、社外のアセット(資産)も効果的に組み合わせたい。

 ターゲットは得意とする「リテール」「オフィス」「自動車」などだ。公共も重点領域で、既に水位情報をリアルタイムで可視化する「河川水位IoT監視パッケージ」の展開に力を入れている。