2020.09.01 【業務用無線特集】アイコム衛星通信端末「IC-SAT100M」

衛星通信端末「IC-SAT100M」

BCP対策などに最適

 アイコムは、非常災害時の事業継続計画(BCP)対策などに適した、衛星通信端末「IC-SAT100M」を国内外で発売した。アンテナを屋外に設置することで屋内からの通信が可能。また、アンテナユニットとメーンユニットをLANケーブルで接続でき、施工も容易。暴風雨など厳しい現場の状況でも、安全面を確保した形での通信環境を提供する。

 同社は昨年、携帯型衛星通信トランシーバ「IC-SAT100」を発売。イリジウム社の衛星通信ネットワークを活用し、送信ボタンを押すだけで複数の相手先に音声を同時にグローバル規模での送信が可能。大規模災害で地上のインフラがダウンした場合でも安定した通信を確保。主に屋外の利用を想定し開発した。

 今回発売したIC-SAT100Mは主に屋内での利用を想定。システムはメーンユニットとマイク、アンテナユニットの構成。アンテナをビルの屋上などに設置することで、屋内での通信を可能にした。アンテナは、メーンユニットとLANケーブルでの接続が可能で同軸ケーブルを必要とせず、施工も容易。防風雨時にも、屋内から通信することが可能で、安全面を確保しつつ運営できる。

 同社RoIPゲートウエイ「VE-PG4」を併用することで、衛星通信トランシーバをIPトランシーバ、特定小電力トランシーバ、簡易業務用無線機などにつなぐこともでき、IP電話との連携が可能。新製品と小型の外部アンテナ「AH-40」を活用することで車載用としても活用できる。

 事業継続の観点から自治体だけでなく、民間でも「災害時でもつながる手段」を求める傾向が強くなっている。異常気象や地震などが増える状況下、安全を確保した情報通信手段として今回の新製品を提案。グローバルに事業を展開する企業などにも提案する。