2020.09.01 【防災の日特集】オーエスグループTERRA SERDE電源ポール

防災システムとしても活用できるスマート電源ポール

米ミアソレと技術提携

 オーエスグループの開発部門である次世代商品開発研究所(大阪市西成区、奥村正之代表)は、米シリコンバレーの太陽電池設備とモジュール製品製造のミアソレ(MiaSolé)と技術提携し、〝TERRA SERDE電源ポール〟の開発に着手した。

 開発中のポールのコンセプトは、太陽発電シートを巻き付け、内部に充電池などを内蔵することで、商用電源を供給する必要のない自律的な電源ポール。

 ソーラーシートにはMiaSoléのCIGS太陽電池を使用。この製品は、DHLの配達用トラックやアウディが採用しており、国際的な納入実績がある。フレキシブルで軽量、モジュールサイズのカスタマイズができ、変換効率は業界トップを維持している。

 同社が開発を進める電源ポールは、ポールに太陽発電シートを巻き、リチウムバッテリ、バッテリマネジメントシステムを内蔵し、電源が取れない場所にIoT環境をもたらす独立型フィールドサーバーで、遠隔地からデータの取得や操作ができる。

 ポール構造のため、雪や落ち葉の影響を受けにくく、太陽発電シートの効率も高い。

 シンプルなポール構造なので、設置面積も小さく、場所を選ばない。商用電源の供給配線工事が不要で、設置コストも安い。

 ポールには監視カメラ装置、気象センサーや農業用IoT装置、Wi-Fiステーション、LED照明などが装着できて用途は多彩。電源とメンテナンスが不要な電源ポールは、防災システムとしても活用できる。台風や豪雨により、停電が発生した際でも電源ポールなら稼働が可能。

 オーエスグループは、顧客からの要望に応える〝キモチをカタチに〟を標ぼうしている。

 奥村代表は「今後、試作機による実証実験を重ね、年内の商品化に向けて、開発を進めていく。お客さまの要望をききながら受託生産にも力を入れたい」と話している。