2020.09.11 【中部産業特集】ノリタケ伊勢電子高感度タッチ液晶モジュール

高感度タッチの組込み用液晶モジュール

第2の柱に位置づけ

 ノリタケ伊勢電子(三重県大紀町、山下壱雄社長)は、世界で初めて蛍光表示管(VFD)を開発・製品化し、北米、欧州、アジアなどの海外市場で高い実績を持つ。

 ノリタケカンパニーリミテド(名古屋市西区)の子会社で、この9月に創業54周年を迎えた。三重県大紀町に本社・大宮事業所と大内山事業所を構える。

 VFDやVFDモジュール、静電容量タッチスイッチ、高感度タッチ液晶モジュール、EMIシールドウインドウなどの電子部品、デジタルサイネージやディスプレイシステムを手がけている。

 VFDに次ぐ事業の第2の柱と位置付ける高感度タッチ液晶モジュールは、産業機器や端末機器などのメーカー顧客からの要望に応え、高解像度、手袋や水濡れ等のタッチ感度を向上するなど付加価値を高める製品開発に注力している。

 現在のラインアップは、コマンド制御タイプGT-CP、ビデオ入力タイプGT-VPの2種類で、それぞれに開発サポートソフトを準備している。

 GT-CPは、VFDモジュール同様のシンプルなコマンド入力で、安価なマイコンでも表示・タッチ制御が可能な組込み用ディスプレイ。タッチパネルはタッチノイズに強く、手袋を着けたままでも画面が水に濡れてもタッチ操作できる。文字コード&表示コマンド制御機能や、座標モード・マトリクススイッチモード・カスタムスイッチモードの三つから選べるタッチ制御モードなどの機能を備える。

 さらにGT-CPを検討する顧客向けに、評価キットや開発サポートソフトウエア「GTOMP」などをそろえる。

 GT-VPは、PCやラズベリーパイなどのホストSBC(シングルボードコンピュータ)につないで、簡単に映像を表示する明るく見やすい組込み用タッチディスプレイ。タッチ性能はGT-CPと同様で、手袋や水濡れなどの厳しい条件での操作に対応している。開発サポートソフトは「GT-1Pass」をそろえる。また、GT800X480A-1013Pは、SBC「アルマジロ640」に対応し、IoT向けのRGB接続で使用が可能。

 納入先は、海外が約7割、国内が約3割を占める。納入用途は、レストランの厨房設備や食品加工業、洗面所や浴室、キッチンなど水を使う屋内、雨水が入る駐車場や自販機など屋外、手袋を使用して作業する場所など多岐にわたる。欧州では、病院で使用する呼吸器の表示器など新型コロナ対策需要も増えている。

 新型コロナ禍での営業活動は①新製品を訴求した動画配信②オンライン展示会への出展、取引先へのオンラインプレゼンなどを行っている。

 同社は、11月16日-12月18日に組込みシステム技術協会がオンラインで開催する「ET&IoT Digital 2020」に出展予定。