2020.09.18 【ASEAN特集】上村工業新規顧客開拓を積極的に進める

寺岡 MD

 上村工業は、ASEAN、インドに表面処理薬品、機械などを販売するウエムラ・インターナショナル・シンガポール(設立88年)、ASEAN向けアルミハードディスク用無電解ニッケルめっきプロセス薬品などの表面処理薬品の製造・開発拠点ウエムラ・マレーシア(96年)、ASEAN地域へのプラめっき加工拠点ウエムラ・インドネシア(12年設立)、プラめっき加工、プリント配線板めっき加工、ポリカめっき加工のほか、プラめっき、プリント配線板めっきの表面処理薬品の製造、販売を始めたタイの合弁会社サムハイテックス(87年)を持つ。

 ウエムラ・インターナショナル・シンガポールの寺岡忠儀MD(マネージングディレクター)は「当社の業績は新型コロナ感染症拡大の影響はあるものの、サプライチェーン対策で前倒し需要が入り1-6月までは前年同期並みの売上げを確保できた。7月以降は前倒し需要の在庫調整で、前年同期比で見ると11月ぐらいまでは少し厳しくなりそうだ。ただ、情報通信、半導体、医薬品関連向けの需要は堅調だ。医薬品向け需要は前年比倍増している。自動車向けはマレーシア政府が売上税・サービス税の免除措置を打ち出しており自動車販売が増えているが、ASEAN全体の回復にはまだ時間がかかりそうだ」と話している。

 ASEAN最大のタイ市場に対し、サムハイテックスに、プリント配線板用無電解ニッケルめっきと前処理の薬品製造をウエムラ・マレーシアから、販売をウエムラ・インターナショナル・シンガポールから移管した。

 フレキシブル基板向け無電解ニッケル金めっき、無電解パラジウム金めっき、電気銅めっきの薬品の製造、販売もサムハイテックスで行い、地産地消体制を敷く。

 ウエムラ・インターナショナル・シンガポールは、タイ向け販売の一部をサムハイテックスへ移管したこともあり、南アジアおよびオーストラリアへ商圏を拡大。

 インドはコネクタ端子のスズめっき液販売などを始め、オーストラリアは工作機械向け無電解ニッケルめっき薬品の販売を決めるなど、新規顧客開拓を積極的に進めている。