2020.09.18 【ASEAN特集】東京コイルエンジニアリングコスト競争力高める、自動化生産を中心に展開
東京コイルエンジニア(タイランド)の外観
東京コイルエンジニアリングは、タイでパワーインダクタなど各種コイルを生産。自動化生産を推進し、新規顧客の開拓を成長戦略として取り組んでいる。
タイの生産拠点は、チェンマイ市近郊のランプーン工業団地に1989年に設立した東京コイルエンジニア(タイランド)。操業当初からカメラ向けのストロボ用のトリガコイルと昇圧トランスをペアで量産し、生産規模を拡大。
99年には、タイ工場の衛星拠点的な位置付けとして、隣国のラオスに東京コイルエンジニア(ラオス)を設立し、ストロボ用を全面的に移管。タイ工場は新たな成長戦略を展開している。
タイでは自動化設備で生産するNi-Zn系フェライトコアベースの巻線型パワーインダクタに特化した。佐藤秀行MD(マネージングディレクター)は「労働賃金の高騰などを吸収し、コスト競争力の高い生産拠点として成長していくために、自動化生産を中心に展開していく。また、小型、低背で、大電流、低漏れ磁束といった高い技術の製品競争力を確保していく」としている。
生産しているパワーインダクタは、2ミリメートル角サイズから数十ミリメートル角サイズの大型チップまで製品ラインアップを拡充。携帯電話、デジカメなどの携帯機器向けからPC等の情報機器、LED照明、産業機器向けなど、幅広い分野に対応し、さらに車載向け需要が伸びることを踏まえ、TS16949の認証も取得している。
新規開拓のために、販売会社・TW(タイランド)を設立した。佐藤MDは「日本国内の営業支援を受けながら、現地で生産しているメリットを生かし、キメ細かに新規開拓を行うことで、事業を拡大したい」と製販一体の事業を構築したもの。
一方、ラオス工場でのストロボ用の生産は、タイ工場の自動化生産技術を取り入れることによって、少ない従業員数で数量、コスト、品質面で生産性を高め、高シェアを維持している。