2020.09.30 【電波新聞70周年特集】SEMIジャパン・浜島雅彦代表デジタル社会の発展・充実を願う

浜島 代表

 私どもSEMIは、電波新聞社の創立20周年に当たる1970年にシリコンバレーで誕生しました。当時はインテルによって1KビットDRAMが開発され、半導体製造装置の専業メーカーが次々と台頭してきた時代です。ウエハーの口径は2インチでした。

 それからの半導体産業の成長については承知の通りです。その歴史の中でも80年代から90年代にかけては、日本が世界をリードした時代でした。日本がIC発祥の地である米国を抜き去り、世界一に到達したのは、国を挙げての努力が実を結んだものであり、その代表的なプラットフォームが76年から80年に実施された超LSI技術共同組合です。4年間に700億円という当時としては膨大な予算が割り当てられました。共同研究は半導体だけではなく、製造装置や材料の技術発展でも成果を挙げ、国産製造装置の国内シェアも20%程度から70%以上になったと聞いております。

 この成果は現在の国内半導体製造装置・材料産業の充実の基盤となっており、装置では世界市場の3分の1、材料では実に2分の1以上というシェアを誇っています。

 2020年は新型コロナウイルス流行の年となりました。感染拡大を抑制するためのリモートワーク、学習、医療が余儀なくされた結果、社会の急速なデジタル化が進展し、半導体産業は他産業と比較すると好調といえます。これは半導体が感染抑制や医療、そして治療法の開発に不可欠であることを意味し、そのイノベーションの継続と安定供給を支えるための、半導体装置・材料産業の責任を重く感じる次第です。

 ニューノーマルという新しい社会規範を支えるデジタル社会の発展と充実に、SEMIとしても貢献してまいる所存です。今年のSEMICON Japanもバーチャル開催となります。電波新聞には、これからもSEMIの活動を、報道を通じてご支援くださいますようお願い申し上げます。