2020.10.09 件数、3000件台は31年ぶり上半期の全国企業倒産

 20年度上半期(4-9月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が3858件(前年同期比9.3%減)、負債総額は5991億1900万円(同0.7%増)だった。民間調査会社の東京商工リサーチの調べで明らかになった。

 件数は、上半期の3000件台は90年同期(3070件)以来、31年ぶり。91年同期以降の30年間では最少を記録した。5月に新型コロナウイルス感染症拡大で裁判所の一部業務が縮小したほか、政府、自治体の緊急避難的な資金繰り支援が奏功、倒産は低水準で推移した。

 負債総額は、上半期では3年ぶりに前年同期を上回ったが、過去30年間では2番目の低水準となった。負債10億円以上が105件(前年同期87件)と、3年ぶりに100件台に増加し、負債額を押し上げた。ただ、同100億円以上は前年同期と同数の4件にとどまり、同1億円未満が2946件と8割近くを占め、小・零細企業を中心に推移した。

 「新型コロナウイルス」関連倒産は、上半期で483件発生した。産業別では、10産業のうち、6産業で前年同期を下回った。新型コロナ感染拡大が直撃した飲食業(411→436件)、宿泊業(28→71件)が押し上げた「サービス業他」は1306件(前年同期1301件)と、5年連続で前年同期を上回った。倒産集計の対象外である負債1000万円未満の倒産は355件(前年同期248件)。

 「人手不足」関連倒産は215件(前年同期205件)。「後継者難」が173件(同124件)と大幅増。・上場企業倒産は、5月にレナウン、9月にNutsの2件発生(前年同期ゼロ)。

 従業員被害者数は、2万2183人(前年同期2万1670人)。2年連続で2万人台に乗せた。