2020.10.20 【CEATEC特集】CEATEC ONLINEの歩き方3エリア分かりやすく表示

エントランス画面

 今年のCEATECは初のオンライン開催になる。これまで幕張メッセで開催していた展示とは全く違う様相だが、入り口となるトップページは、幕張メッセのエントランスに立ったように感じられるデザイン。「これまで毎年訪れていた人も初めての人も混乱なく見たい展示にたどりつけるよう工夫した」(CEATEC実施協議会)という。

 今回は「ニューノーマル」「企業」「コ・クリエーションパーク」の三つの展示エリアで構成。トップページでも大きく3エリアが分かりやすく表示されている。ページを見るとその日のコンファレンス予定などがすぐに確認できるほか、出展者のライブセミナーの内容なども表示される。ツイッターによるリアルタイムの投稿も見られる。

 新発想のサービス

 展示の見どころは多数あるが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、一変した市場環境の中における新しい生活スタイルの実現を指南する「ニューノーマル(新しい日常)」エリアが注目できるポイントの一つだろう。CEATEC実施協議会の鹿野清エグゼクティブプロデューサーのインタビューでも「ニューノーマルエリアをまず見てほしい」と話している。

 ニューノーマルを実現する社会では、今までになかった新しい発想でのサービスなども必要になってくる。展示では新しい衣食住を実現するソリューション提案をはじめ、自治体などが多数出展した街づくりの提案もある。今までにない新技術などだけではなく、既存の技術やサービスを組み合わせて新たな課題を解決していくような提案も行われる。

 多様な企業が訴求

 企業エリアではエレクトロニクス業界をはじめ様々な企業が、自社の技術やソリューションを訴求している。数年来CEATECで提唱してきているソサエティ5.0の実現に向けた製品やソリューションなど、各社が培ってきた技術やノウハウを生かした提案も注目される。

 昨年までは幅広い業界からの出展が増え、エレクトロニクス業界がハブとなって広がる近未来の世界観が示されていた。今年は出展業界の幅が広がるよりも、出展する製品やソリューションの幅が広がっている。鹿野氏は「ニューノーマルを支えるソリューション提案が目立つようになり、エレクトロニクス関連企業でも提案する領域や手法が変わってきている」と話す。

 新たな発見がある

 スタートアップ企業や教育機関などが中心となり出展する「コ・クリエーションパーク」は、若い企業ならではの新しい発想で開発した技術やソリューションなどが見もの。ビジネスマッチングなどにつながる様々な提案が今年もオンライン上で繰り広げられている。自社の技術を補完する新しい技術やサービス、あるいは新たな商材となるようなソリューションが、このエリアには多くある。鹿野氏も「時間の許す限りブースを回ってみると新しい発見があるはず」と期待を寄せる。

 事前登録が不要に

 コンファレンスも多数用意。各業界をリードする企業トップや有識者からの講演をはじめ、5Gやサイバーセキュリティ、スマートモビリティなど話題のテーマを選んだ講演はどれも注目できる。

 今回はテーマなどに合わせチャンネル1からチャンネル5まで用意している。基調講演などをチャンネル1で行い、ニューノーマルをテーマにしたセッションはチャンネル2。このほとんどに同時通訳が入るため、海外の方でも最新の話題の講演をストレスなく聴講できる。

 業界専門家のセッションを用意したチャンネル3や、出展者セミナーのチャンネル4、コ・クリエーションパークが中心になるチャンネル5に関してもAI(人工知能)を使った自動翻訳を入れることになっている。

 例年の展示会では講演は事前登録が必要だったが、今回は登録なしで視聴できることも大きな特徴。会期中の講演は閉幕後12月31日までVOD(ビデオオンデマンド)視聴ができる。例えば、視聴したい講演が重なっても後でゆっくり視聴ができるため、優先順位をつけながら講演やセッションをじっくりと聴けることもオンデマンドならではだといえる。