2020.10.21 航空電子が静電容量式タッチパネル拡充 額縁レスで全面透明、幅広い分野に提案
Full Touch Sensor
日本航空電子工業は、静電容量式タッチパネルの製品ラインアップを拡充する。同社はメタルメッシュセンサー(金属細線を格子状に配線)の技術を生かし、額縁レスで全面透明の静電容量式タッチパネル「Full Touch Sensor」を開発した。CID(センターインフォメーションディスプレイ)やカーナビなどの車載向けをはじめとした幅広い用途に提案する。
自動車市場では「CASE」の技術革新によりコックピットが大きく進化しており、特にコネクテッド技術の進展で車内で扱う情報量が増加するため、ディスプレイはより大画面化していく。さらに自動運転技術の進化により、車内空間のリビング化が進むことで、より高いデザイン性が求められる。こうした多様なデザインニーズに応える際、タッチパネルの額縁が課題となっている。
こうしたニーズに対応し、同社はメタルメッシュセンサーの技術を生かし、独自の配線技術(特許出願中)によって額縁配線のない静電容量式タッチパネルFull Touch Sensorを開発した。
高感度なメタルメッシュによる大画面対応に加えて、全面透明で外周部もタッチ可能な特徴により、ディスプレイのデザイン性向上に貢献する。
HUD(ヘッドアップディスプレイ)と組み合わせることで、透明操作デバイスとしても使用可能。
同社は車載市場向けに、業界に先駆けて「FLEXCONVERT」の技術を活用したメタルメッシュセンサーを開発し、量産してきた。
今回、Full Touch Sensorを静電タッチパネルのバリエーションに追加し、従来製品のメタルメッシュセンサーガラスタイプやフィルムタイプと合わせて幅広いニーズに応えていく。
適用市場は、車載ではCID/カーナビ/カーオーディオ/HUD/リアシートエンターテインメントディスプレイなど。非車載では公共交通機関における操作パネル、パブリック(鏡)、ホーム(スマート家電)、ショーウインドウやディスプレイ広告などのデジタルサイネージなど。
仕様は、厚みはガラス基材1.1ミリメートル/フィルム線材0.1ミリメートル(開発中)。動作温度範囲はマイナス30-プラス85度。保存温度範囲はマイナス40-プラス95度。適合IC仕様は各種静電コントロールICに対応している。同製品は、現在開催中の「CEATEC 2020 ONLINE」にて出展している。