2020.11.11 【電池の日特集】FDKプレミアムS

「プレミアムS」

新負極ゲル組成を採用で放電性能10%向上

 FDKは、主力の「FUJITSU電池」シリーズで長持ち性能と長期保存性能、耐漏液性能を高めた「プレミアムS」(単1形-単4形)を前面に出し、電池の商戦期でもある年末商戦に向け訴求していく。

 プレミアムSは「電池の使用時間を長くしてほしい」「電池を長期間保存したい」「液漏れしてほしくない」という消費者からの要望に応え性能を高めた最上位アルカリ乾電池で、19年に5年ぶりに発売した新製品になる。

 長持ち性能を高めるために、新負極ゲル組成により、小電流から中・大電流まで幅広い電流域で放電性能を平均で10%向上(プレミアム比)した。時計やおもちゃ、携帯ゲーム機など小中電流機器に加え、デジタルカメラやシェーバーなど大電流機器で大きな効果を発揮している。

 長期保存性能では、新負極ゲル組成の採用と正極缶内側のレアメタルコートの相乗効果で温度加速試験(60度20日間)後の放電性能も約10%上がった。耐漏液性能では集電子に新メッキを採用。単3形ではマウスやリモコン相当で、過放電後のガス発生量が約60%削減しラジオ相当では約80%削減するなど、液漏れしにくくしている。

 FUJITSU電池は、アルカリ乾電池は静岡県鷲津工場で生産しており「日本製」を売りにしている。国内の市場競争が激しい中で、高い品質と安定した供給が他社にない強みで、同社では「災害時などでも安定して電池を供給できる」としている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で安心・安全が今まで以上に求められ、除菌や抗菌などへの関心が高まっている中、プレミアムSは抗菌ラベルを採用していることも特徴。「細菌が増えないため、安心して使える電池として訴求していく」(同社)計画だ。

 長年提唱をしている「年中防災」も継続して推していく。日本気象協会とコラボして進めている「トクする!防災」プロジェクト公認乾電池として防災対策を訴求するとともに、普段から多めに電池を備蓄して、使ったら使った分だけ新しく買い足す「ローリングストック法」も提案し、電池を年中商品として定着させていく。