2021.01.07 【2021年注目の先端技術特集】 電子部品、技術が一層高度化

xEV化の進展でメーンモーター周りのパワー用部品の信頼性技術が高度化する

USB4認証取得のUSBタイプCレセプタクルコネクタUSB4認証取得のUSBタイプCレセプタクルコネクタ

ブルートゥースクラシックとBLEの両通信をサポートするデュアルモードブルートゥースモジュールブルートゥースクラシックとBLEの両通信をサポートするデュアルモードブルートゥースモジュール

 電子部品技術が一段と高度化している。5Gにより高機能化が進むスマートフォン、電子化・電動化が加速する自動車、高性能化が進む産業機器・製造装置などでの技術要求に対応するため、超小型・高性能化や高速大容量伝送対応、低消費電力、大電流・大耐圧対応、熱・ノイズ対策、高信頼・長寿命、機能複合化などを追求した電子部品開発が進展。電子部品各社は、次世代や次々世代のニーズに照準を合わせ、自社のコア技術を駆使した最先端の電子部品・モジュール開発を加速させる。

回路部品

 回路部品は、第5世代移動体通信(5G)向けの高周波部品、超小型部品、自動車のCASE化進展に対応した高信頼性部品の技術が高度化する見通し。

 5Gの高速、大容量、低遅延、同時多接続の特徴を引き出すための新製品開発が加速する。MLCC、抵抗器、インダクタは、0402サイズでの特性バラエティが進み、水晶デバイスなどの高周波部品は、フォトリソ技術による1008サイズといった小型化を推進する。バリスタ、サーミスタ、ノイズ対策部品などの高性能化も進む。部品を搭載するプリント配線板は、エニーレイヤやMSAPといった工法での微細化技術が定着化する。

 一方、車載用部品は、xEVの生産比率が急速に高まっていくのに対し、モーター周りのインバータ、コンバータ、電池、充電器、ECU向けのパワー用部品の新製品開発に弾みがつく。また、ADASをはじめとする安全系の機能強化、自動運転の普及を視野に関連部品の開発も活発化する。CASEの進展は車載用部品技術を高度化する。

接続/変換部品

 接続部品は、コネクタは、5Gスマホ向けに高速・高周波かつ超小型の内部接続用コネクタ開発が進む。基板対基板用では、0.3ミリピッチの超ファインピッチ品の拡充が進む見通し。バッテリ接続用コネクタの大容量化や、USB4規格対応インターフェイスなどの開発も進んでいる。

USB4認証取得のUSBタイプCレセプタクルコネクタ

 車載用は、EVのバッテリまわりに使用されるパワーコネクタや、次世代センシングカメラ/ミリ波レーダー/LiDAR用コネクタの開発が活発化。車載イーサネット対応コネクタの技術開発も進展する見通し。産機用では、5G基地局向けや4K/8K画像機器向けの同軸コネクタや光製品などの開発が活発化している。

 変換部品は、将来の自動運転車を見据えた新たな車載用音響デバイスなどの開発が進展している。

通信モジュール

ブルートゥースクラシックとBLEの両通信をサポートするデュアル
モードブルートゥースモジュール

 無線通信モジュールは、自動運転車やコネクテッドカー向けに、V2XモジュールやLTEモジュール、GNSSモジュールなどの開発が活発。車載用高速データ通信モジュールは、5G対応品開発も進んでいる。

 IoT市場の広がりに向け、BLEモジュールやLPWA対応モジュールの新製品開発も活発で、ブルートゥースクラシックとBLEの両通信をサポートするデュアルモードブルートゥースモジュールなども開発された。BLE対応音声伝送リモコンなどの応用製品の開発にも力が注がれる。

 LPWAモジュールは、SigfoxやLoRaWANなどの各種規格に対応した製品が市場投入されている。

 各社は、モジュールの小型化に向け、高機能基板への部品内蔵、微細チップ部品による両面実装、解析技術や構造評価技術、パッケージング技術などを追求した製品開発に注力する。