2021.01.09 ドコモと三菱UFJ銀が包括的な提携協議スマホ活用の金融事業で

 NTTドコモと三菱UFJ銀行が金融事業で包括的な提携に向けて協議していることが9日、分かった。業界トップの企業同士が、互いの顧客基盤を生かした新サービスの開発で連携。三菱UFJ銀にドコモ利用者を優遇する専用の銀行口座を設けるほか、住宅ローンの共同販売も視野に入れている。

 関係者によると両社は金融事業で包括提携を結ぶ方向で調整を進めている。今春までの合意を目指す。

 ドコモ利用者向けに利便性の高い専用口座を開設する案が浮上しているほか、スマートフォン経由で住宅ローンなどの金融商品を販売することも協議。さらに共同出資で新会社を設立し、昨年6月の法改正を機に設けられた「金融サービス仲介業」に進出することも検討しているとみられる。

 菅政権の携帯電話料金引き下げ要請を受けてドコモは3月から、新料金プラン「ahamo(アハモ)」を提供する予定。携帯事業の利益率低下が見込まれる中で同社は、収益力の強化が喫緊の課題となっていた。超低金利が長引く環境下で三菱UFJ銀も、新たな収益源を確保する課題に直面していた。

 両社には、業界の垣根を越えた提携を機に収益を得る機会を広げるほか、顧客との接点を強化する狙いもありそうだ。