紫外線除菌搭載製品に期待　CSLやHCL対応も推進

　昨年は新型コロナウイルスの影響を受け、国内の照明市場も出荷台数が前年を割り込んだ。特に当社が注力するB2Bでは、現調なども必要になる案件が多く、密を避けるためにそうした対応が制限されてしまった。

　コロナの感染予防や除菌に注目が集まる中、当社はウシオ電機の紫外線ランプモジュール「Care222」を搭載したユニバーサルダウンライト型の器具「UVee（ユービー）」を製品化した。ウィズコロナが続くことで、今後は紫外線除菌に対する需要は期待できる。ただ、ワクチン接種がいつ始まるかにもよって状況は変化するため、ここばかりにリソースを割くわけにはいかない。

　紫外線除菌は、不特定多数の人が集まるエントランスホールや企業のオフィスなどにも導入は期待できる。照明とカメラを一体化した「ViewLED（ビューレッド）」と組み合わせた製品なども検討している。カメラを使って画像から判断する方がより正確な紫外線照射ができるからだ。紫外線ランプを搭載した器具やソリューションの展開で、なるべく早く100億円の売上げを達成したい。

　今年もコロナの影響は続くだろう。ただ、照明市場は昨年よりも良くなると見ている。19年に比べるとまだマイナスだろうが、案件も動きだすはずだ。

　当社としては、構造改革を終えた後だったため、コロナ禍でも踏ん張れた面がある。業界として力を入れているCSL（コネクテッド・スマート・ライティング）とHCL（ヒューマン・セントリック・ライティング）を目指した製品開発やソリューションの提供を推進していく。今年は成長を目指して攻めに転じていく。

　照明制御の国際的な通信規格「DALI」に対応した照明器具も増やしていく。照明制御もオープン化が進んでおり、空調などほかのシステムとも連携できる。屋外照明ではシグニファイの器具を展開するなどパートナー製品も提供し、ニーズに応えていく。

　今年度は、事業全体で売上げは前年を割り込む見通しだが悲観はしていない。21年度から成長軌道に乗せ、増収増益を達成したい。