2021.01.22 【照明総合特集】トップが語る21年事業戦略オーデリック 伊藤 雅人代表取締役社長
伊藤 社長
住宅用照明「R15」に注力 コネクテッドライティングを軸
昨年は新型コロナウイルスの影響で、予定していた案件が延期されるなどが複数あった。飲食関係といった厳しい分野がある半面、当社は無線照明制御システム「コネクテッドライティング」を軸にした販売戦略をこれまで同様に推進している。今年度で30億円ほどを計画している。
住宅用照明としては、(高演色LED照明の)「R15」シリーズの引き合いが強い。日本人に合っているあかりを実現したもので、現在、1500弱まで品ぞろえを増やした。顧客への提案時には、通常タイプとR15を選べるようにしているが、R15を選ぶ顧客が圧倒的に多い。コネクテッドライティングにも対応しており、これからはコネクテッドとR15の両対応が軸になる。
R15は現在、住宅分野で展開している。住宅分野でもラインアップは拡充していくが、今後は施設分野の照明器具にも対応していき、様々な用途で展開していきたい。
コネクテッドライティングは、IoTといった世の中の流れに合わせたものだ。新技術に対応するためには、今の時代、コネクテッドである必要がある。太陽光発電システムや蓄電池と連携する「ZERO ENERGY CONTROL」を提案しているのも、コネクテッドを生かして様々な製品やシステムにつながることを目指しているからだ。
ウィズコロナとなり、ストレスがたまっている。在宅勤務が増え、自宅で仕事をするスペースも必要。今年はそうした需要が照明にもっと影響してくるのではないか。
例えば、コロナ禍で外出できないことから、自宅の庭でキャンプをする人が増えている。キャンプをするにも何かしら照明は必要で、これが新しい需要につながってくる可能性もある。いまは厳しい非住宅分野の照明市場であるが、屋外に設置できる防水器具やスポットライトなど、コロナ禍のニーズに合わせた照明需要も出てくると期待している。
昨年、当社は非上場化した。上場していた経験は大きな資産。これからの経営にも生かしていきたい。現実をきちんと見据えながら、利益を上げていく。