2021.01.22 東芝、3年半ぶり1部上場復帰東証が昇格承認
東芝は22日、東京証券取引所に申請していた市場第2部から第1部への指定が承認されたと発表した。昇格は29日付。東芝の1部復帰は、米国の原発事業を巡る巨額損失で経営不振に陥り、17年8月に1部から2部に降格して以来、約3年半ぶりとなる。
昨年4月に東証と名古屋証券取引所1部市場への指定を申請。東証が審査していた。
15年に利益を水増しする不正会計問題が発覚した後、一気に経営が悪化。16年末には米原子力子会社ウエスチングハウスが手がける原発建設プロジェクトで巨額損失が発覚したことも重なり、17年3月期で債務超過に陥った。
経営の再建に向けて東芝は、18年には半導体メモリー事業を売却。米国の液化天然ガス(LNG)事業の売却などの「負の遺産」処理にもメドを付け、継続的に収益を生み出せるインフラサービスを中心とする事業ポートフォリオへの再構築を加速。再構築の取り組みは、ほぼ9割を終えた。「デジタル化」と「脱炭素」という世界的な潮流を視野に21年度からは、強化した基礎収益力を土台に安定成長を目指すフェーズへと進む。
東芝は同日、19年度を初年度とする全社変革計画「東芝Nextプラン」の着実な実行を通じて「事業の持続的な成長と企業価値の向上に努めていく」とコメントを発表。コンプライアンス意識の再徹底と一層の内部管理体制強化に努め、株主や投資家をはじめとするステークホルダーの信頼に応える方針も示した。