2021.02.24 【複合機&プリンタソリューション特集】セイコーエプソン〝スマートチャージ〟戦略を柱、医療現場への展開に力
LXシリーズ
セイコーエプソン/エプソン販売は、新型コロナ感染症拡大でオフィス市場が停滞する中で、インクジェットの高い生産性や環境への評価などからプリントボリュームを伸ばしている。
エプソン販売の子田吉之販売推進本部スマートチャージMD部部長は「リモートワークが拡大し、働き方も大きく変わった。インクジェットはホームのイメージが強いが、高画質に加え、印刷スピード、さらに消費電力など環境面などからビジネス用途でも評価が高まっている」と話す。
同社は、プリントやコピーの使用状況に合わせてプランや機器を選べる「スマートチャージ」を戦略の柱にしている。高速ラインインクジェット複合機/プリンタ「LX」シリーズ、進化した機能とコンパクトさを特徴とする「PX」シリーズなどをラインアップしている。
フラグシップモデルの「LX-10050MFシリーズ」は、100枚/分の高速印刷を実現。このほかに75枚/分機、60枚/分機もラインアップしている。1月26日には、100枚/分の高速ラインインクジェット複合機のモノクロ専用モデル「LX-10020MFシリーズ」を発売した。コロナ禍におけるネットショッピングなどの利用率急増に伴い、製造、小売り・卸、物流、出版など商品出荷に付随する印刷物をモノクロで大量に印刷したいニーズに対応する。
19年度から「スマートチャージ」の販売施策として文教市場を対象に「アカデミックプラン」を展開している。20年度も「先生方の働き方改革と生徒の学びの向上が評価されている。また、GIGAスクールも追い風となり、対前年比で大幅な伸び」(子田部長)で推移。新オプションとして提供している学校通信作成支援ソフト「Epson CoCo-Creator」も、各種便りが簡単に、表現力豊かに作成できることで好評だ。「デジタルと紙の融合に貢献していく」と子田部長は話す。
現在、文教市場とともに力を入れているのが、医療現場への「スマートチャージ」の展開。病院など医療現場のプリントニーズが強い。とはいえ、厳しさを増す病院経営に、新型コロナが追い打ちをかけている。「例えば、診療室で印刷する場合でも、インクジェットは1枚目の印刷のスピードが速く、患者さんを待たせないので、先生方から好評だ。また、コスト面からも低ランニングコストが評価されている」と子田部長。「今、病院経営はすごく厳しい。その中で費用をかけずに機能性を追求したい」という医療現場の声に応えていく。
コロナ禍を契機にオフィスの在り方も変わってくる。東京都新宿区の本社オフィスで、紙を再生する乾式オフィス製紙機「PaperLab」と「スマートチャージ」を連携させた環境配慮型のエコオフィスを設置している。子田部長は「インクジェットの強みを生かして、働き方改革とSDGsの時代にふさわしいオフィス環境を提案していく」と強調する。