2021.03.04 【コネクタ技術特集】 コネクタ技術、一段と高度化5Gや高速伝送、大電流対応、狭ピッチ化など進む
車載エアバッグ用スクイブコネクタ(日本航空電子工業)
電子機器・装置の小型・高機能・高性能化に伴い、コネクタ技術の高度化が一段と進んでいる。車載用では、自動運転車やxEVなどのCASE領域向けの技術開発が活発化。民生用は、5Gスマートフォンやウエアラブル機器向けの小型・高性能コネクタ開発が加速している。産機・インフラ用では、高速大容量伝送や大電流/高耐圧対応製品の開発が進む。4K/8K画像機器や医療機器向けの技術開発にも力が注がれる。
車載電装用コネクタ
車載用コネクタは、年々需要が増加。特に、ADAS/自動運転技術の高度化により、車載カメラ用やミリ波レーダー/LiDAR用などの安全系コネクタの需要が広がっている。
車載カメラ用は、従来のパーキングアシスト用カメラに加え、デジタルセンシングカメラに照準を合わせた技術開発が活発。1メガピクセル/2メガピクセルなどの高画素カメラで撮影した画像データを瞬時に確実に伝送できる製品の開発に力が注がれている。3Gbpsなどの高速伝送要求を満足させ、かつ小型で防水性にも優れた製品の開発が進む。高速伝送ニーズに対応し、車載イーサネットコネクタなどの開発も活発。EV/PHV用では、大電流/高耐圧対応製品の開発が活発化している。
エンジンルーム周辺などでの使用用途向けに、125℃/150℃対応などの高耐熱FPCコネクタ開発も活発だ。走行時の厳しい振動環境に対応するため、車載用フローティングコネクタの開発も活発化している。
モバイル端末用コネクタ
スマホやウエアラブル機器などの高機能モバイル端末は、高機能化に伴う機器内部の高密度実装化を背景に、内部接続用コネクタには一層の狭ピッチ・薄型・省スペース化が要求されている。急速充電や防水性向上への対応も求められている。
スマホ内部で多用される基板対基板コネクタは、0.4ミリピッチ品に加え、0.35ミリピッチの超ファインピッチ品の拡充が進展。最近は、より狭ピッチを追求した0.3ミリピッチ基板対基板コネクタの開発も進み、一部の高級スマホで実用化されつつある。ウエアラブル機器向けでは、0.4ミリ/0.35ミリピッチ基板対基板コネクタの小極タイプなどの専用コネクタ開発も重視される。
普及が本格化する5Gスマホ向けに、優れた高周波特性かつ小型化を実現したアンテナ接続用コネクタ開発も進んでいる。
インターフェイス用は、USBタイプC対応コネクタのバラエティ拡充の動きが活発。急速充電ニーズに対応するUSB PD(パワーデリバリ)対応品開発も活発化している。
産業機器向けコネクタ
産業機器/製造装置や産業用ロボットなどでは、付加価値の高い産機系コネクタが多用される。各社は、これらに照準を合わせ、小型・軽量かつ高品質・高信頼性の産業用防水コネクタや高速コネクションの開発に力を注いでいる。
電源用コネクタでは、200A/250A対応などの大電流対応の開発が活発。産機向けのFPC/FFCコネクタでは、生産性向上ニーズに対応し、フリップロックタイプやワンアクションタイプの開発、製品ラインアップ拡充が進展している。
テレコム/データコム用コネクタ
テレコム/データコム分野向けでは、5G通信インフラや次世代ストレージ向けに、112Gbpsや56Gbps、28Gbpsなどの超高速伝送に対応したハイスピードコネクタや高速バックプレーンシステム、高速光コネクションなどの開発が活発。
このほか、4K/8K画像機器向けの12G-SDI対応同軸コネクタや8K用光コネクションなどの提案が行われている。