2021.03.18 【九州・山口産業特集】オーイーシーイノベーションオフィス開設新規
加藤 社長
オーイーシー(大分市)は創立55周年を迎え、実績ある自治体向けビジネスのさらなる成長と、新規DX事業の創出を並行して進めている。
昨年5月にイノベーションオフィス「OEC DX Lab」を、本社から徒歩2分のビルに開設。オープンスペースでアイデアソンから開発へ、新しい発想や発見がしやすい環境になっている。既にリモート観光提供ソリューション「ぷらっとワープ」をはじめ、様々なユーザーと多様な形で活用が始まっている。
「落とし物管理」は水族館のうみたまご(大分市)など、「駐車場空き管理」は百貨店のトキハ(同)で実証中。大分県はドローンに特に力を入れており、同社はシステム面から大分県ドローン協議会に参画。医薬品や食品搬送する実証実験も行った。
「ヘルスチェッカー」など、コロナ禍でも社会貢献できるDX活用の新サービスをと、企業や大学などと共創し、全国展開を目指している。
昨年は大分空港がアジア初で宇宙港になり、関連して設立された「おおいたスペースフューチャーセンター」の理事長に、オーイーシーの森秀文会長が就任。同社も衛星が収集したデータを活用して新しいサービスを研究、開発していく予定だ。
4月にはオーイーシーと関連会社のオルゴを統合する。政府のデジタル庁創設など、自治体DXの推進の流れから基幹事業の自治体ビジネスは新たな展開を迎える。
コロナ禍にあっても関西支社は好調に受注できており、大きな拠点として成長している。東京本社でもさらにシェアを拡大していく方向だ。
人手不足への対策として、ベトナム大手のFPTソフトウエアとも連携を進めている。
現在はアウトソーシングだが、今後技術を持ったエンジニアとも連携していきたいと考えている。
社内では外国籍社員も在籍し、人材の多様化も進む。
4月27日には創立55周年の記念式典を予定。加藤健社長は「デジタルの力で社会の課題をより良く解決していくことが我々の使命」とし、DXの時代を切り開いていこうとしている。