2021.03.24 【関西エレクトロニクス産業特集】 電機メーカーの業績が回復傾向新サービス・商品創出に力
関西地区の電機メーカー各社は、コロナ禍においても、巣ごもり需要への対応、除菌・抗菌ニーズをはじめとする健康ニーズへの対応など、ニューノーマル時代の新たな需要創出を加速し、業績も回復傾向にある。不透明で厳しい経営環境の中でもコロナ収束後を見据え、新たなサービス・商品の創出に力を入れる。
各社の第3四半期(20年4-12月)業績は、上期(4-9月)に比べて回復傾向を見せている。コロナの影響をカバーしつつ、新規事業の創出など新たなビジネスモデルの開拓により、次の成長を見据えた取り組みを加速させる。
パナソニックは、第2四半期に続き10-12月期も増益となり、売上高も実質ベースでは増加に転じた。経営体質の強化が着実に進むとともに、ニューノーマル時代の新たなニーズに対応した事業の増販なども寄与し、回復基調が顕著だ。通期連結業績見通しも売上高、利益ともに上方修正した。
今後は中長期的な社会変化を捉えて空調・空質・公衆衛生ニーズに対応した空間ソリューションを加速。また、EV(電気自動車)需要および情報通信インフラへの投資の拡大などの事業機会を生かして成長を目指す。
シャープも、10-12月期は新型コロナの影響はあったものの、巣ごもり需要による白物家電が好調で、売上高・営業利益ともおおむね想定線で推移し、第2四半期から伸長した。19年度第4四半期を底に業績回復が鮮明となっている。
第3四半期の売上高も順調に伸び、営業利益も微増となった現状を踏まえ、20年度の株式配当を12円増配し30円とする計画。
ダイキン工業は、10-12月期において増収増益となり、過去最高の売上高・営業利益を達成した。
昨年11月、通期業績見通しを上方修正していたが、今回改めて営業利益を2320億円とするなど上方修正。今期4度目の上方修正により、前倒しでの業績回復を図る。
巣ごもり需要の拡大でグローバルで住宅用エアコンが好調だったほか、国内では空気清浄機が前年比倍増となるなどして、業務用エアコンの苦戦をカバーしている。
同社は、コロナの影響拡大に伴い、様々な施策を通じて体質改善を強化した。併せて空調事業での住宅用エアコン・空気清浄機の好調さ、換気関連製品の販売増の実現など、〝守り〟と〝攻め〟両面の構えにより、通期では計画を上回る業績を目指す。