2021.03.24 【関西エレクトロニクス産業特集】ヘルスケア医療や健康に焦点、複数プロジェクト進行

神戸未来医療構想でリサーチホスピタルを設置する計画の神戸大学医学部付属病院国際がん医療・研究センター

 関西地区で、医療や健康に焦点を当てたプロジェクトが複数進行中だ。

神戸未来医療構想

 神戸市では、医療機器開発のエコシステムを形成する「神戸未来医療構想」の実現に向け、事業が加速している。

 市が提唱する同構想には神戸大学やNTTドコモ、メディカロイドなどが参画。神戸医療産業都市において、国産初の手術支援ロボットシステム「hinotori(ヒノトリ)」を事業基盤としながら、神戸大学医学部付属病院国際がん医療・研究センター(ICCRC)内にある医療機器の実証拠点「リサーチホスピタル」を整備する。リサーチホスピタルは工学研究者や医療機器メーカーが集い、医療従事者のニーズをその場ですぐに機器に反映し実証・改良できる場となる。

 20年度はハード面の整備が完了。ICCRC7階でリサーチホスピタル設置に伴う改修工事を終えたほか、神戸医療機器開発センター(MEDDEC)などに5G基地局3基を設置した。21年度から5Gなどを活用した遠隔手術支援を目指した実証実験に取り組む予定だ。

吹田ではSST

 大阪府吹田市では、パナソニックが同市と連携して多世代居住型健康スマートタウン「Suita サスティナブル・スマートタウン(SST)」の整備を進めている。

 同社がCRE(企業不動産活用)戦略に基づいて工場跡地などを活用するSSTプロジェクトの第3弾で、関西初の展開。

 超高齢化社会に向け、年齢とともに変化していくライフスタイルに合わせ、その時々に最適なサービス提供を図る。

 社会や地域の課題解決を目指し、パートナー企業などとともに次世代のエネルギー、セキュリティ、モビリティ、ウエルネス、コミュニティのソリューション開発・トライアルも図る。

 敷地2.3ヘクタールに分譲マンションなど住宅総数362戸、ウエルネス複合施設、複合商業施設、交流公園などを整備する。既に造成工事は完了し、22年春の街開きを目指して、現在各施設の建設が進んでいる。