デル・テクノロジーズが、中小企業向けソリューションを強化している。新たに100人以下の中小企業が抱えるIT課題を解消する「6つのソリューションパッケージ」を4日から提供開始した。同社の渡邊義成常務執行役員コンシューマー＆ビジネス事業統括本部長は「ピンポイントで、実効性のあるソリューションを提供していく」と強調する。

　同社はパソコン（PC）、サーバーなどで高い販売シェアを誇る一方、中小企業向けソリューションやサポートなどのビジネス戦略を強化している。特に、中小企業向け専任アドバイザー（デル テクノロジーズ アドバイザー）制度の設置や「地域営業担当を置き、地域に照らした営業活動を強化」（渡邊常務）している。

　また、継続的に中小企業が抱えるITの課題などについて調査している。従業員100人以下の中小企業の調査（2020年11月～21年1月、対象約900社）では、ITの課題として「セキュリティー対策」（49.9％）、「BCP対策／災害対策」（35.6％）、「テレワーク環境整備」（33.3％）が上位を占めた。

　ビジネス営業統括本部の井上孝宏営業部長は「長引くコロナ禍への対応やビジネスプロセスのデジタル化に向け、セキュリティー対策、テレワーク環境整備、災害対策を含めた事業継続性に対する意識が高まっている」と説明する。

　こうした背景を踏まえ、今回、新たに提供を開始したのが「今すぐ始められる中小企業向け6つのITソリューション」。具体的には、「テレワーク環境整備」「セキュリティー対策」「BCP対策／災害対策」の三つの課題に対して、新ソリューションパッケージを用意した。

　テレワーク環境整備では、テレワークをすぐ導入したい企業や情報システム担当者が兼任や一人しかいない企業を対象に「テレワークをすぐ始められるソリューション」「テレワーク保守・運用お手伝いソリューション」を提供する。テレワーク応援モデルとして、最適なPC、Microsoft Office Home＆Business、マウス、ヘッドセットのセットの通常価格から30％オフのモデル、Microsoft Teamsと、ファイル保存や共有のためのクラウドストレージとしてOne Driveがセットで利用できる「リモートワーク スタータープラン」を提供する。

　セキュリティー対策では、「法人専用設計の堅牢性の高いPCシリーズ」やテレワークの増加に伴い、中小企業を対象としたサイバー攻撃が拡大しているのに対応した「ネットワークセキュリティー見直し支援ソリューション」を提供する。

　BCP対策／災害対策では、システムが一カ所に集中することの回避、ビジネス規模の拡大に伴うインフラ環境整備、運用負荷の効率化を図るため、「緊急に備えるバックアップ基礎ソリューション」、用途に合わせてオンプレミスとクラウドを最適な組み合わせで提供する「オンプレ・クラウドいいとこどりソリューション」などを提供する。