2021.06.07 キヤノンが非接触測長計搬送物移動量を高精度測定
非接触測長計PD-704
キヤノンは、生産ラインなどにおける材料、部品などの搬送物の移動量や速度を高精度に測定する非接触測長計「PD-704」を発売した。
金型を介して素材を成形するプレス装置を導入している生産現場では、金属材のコイルなどの部品が装置内のベルト上で搬送される際に生じる移動量や速度のわずかな誤差で、プレス時の部品不良や金型破損が生じてしまうという課題がある。
PD-704は、LED光源により測定対象物の変位量を算出する非接触式でありながら、最大100Gの高加速度にも追従でき、搬送物の移動量や速度を高精度に測定できる。これにより、材料や部品の効率的かつ均一な搬送、安定供給を実現し生産性向上に貢献する。
非接触式の計測方法には測定対象物の画像を連続で取得し、その取得した画像(プロファイル)を相関(マッチング)させ、その変位量から移動量や速度を算出するプロファイルマッチング方式を採用している。
この方式により、生産ラインの急停止や急加速時に生じる、部品のわずかな変化を測定できる。さらに、プラスマイナス15ミリメートルの縦揺れにも対応する光学系の採用で、移動中に上下の揺れが生じても安定して測定が可能。
また、接触式に比べ、測定対象物に接触せずに測定できるため、測定時の部品への傷や汚れを防止するとともに、測定誤差の原因となる装置内での滑りや摩耗が発生しない。測定対象物を厚みの異なるものに入れ替えた際のダウンタイムも少なく、メンテナンスも容易。
非接触計測時の光源にレーザーではなくLEDを用いることで、レーザー放射に伴う安全配慮の必要がなく、設置負荷を軽減している。
防水オプション(別売)を用意、水や油が飛んだりする生産現場でも使用できる。住宅建材、押出成形、鉄鋼、車載用部品などを取り扱う生産ラインやエレベーターの保守、切断機の稼働点検など幅広いニーズに対応する。