2021.06.29 【複合機・プリンターソリューション特集】東芝テッククラウドとの連携に力、MFP活用ソリューション展開
「ループス」
東芝テックは、働き方改革ソリューション、データエントリーソリューションなどに注力する。同社は、今年の1月に「プリンティング・ソリューション(PS)事業本部」から「ワークプレイス・ソリューション(WS)事業本部」に組織の名称も変更、従来のプリンティング主体のビジネスから脱却し、新しい働き方やデータを活用したビジネスへの転換に向け大きくかじを切った。徳野俊之マーケティング部部長は「従来の複合機ビジネスだけでなく、オフィスや製造業、リテール、ロジスティクスといった現場にフォーカスし、ビジネスチャンスを広げていく」とし、「グローバルな視点で、海外の成功事例なども積極的に採り入れていく」と話す。
複合機の市場動向について、竹内浩二国内営業統括部企画・推進部ソリューション支援担当グループ長は「コロナ禍による落ち込みから回復してきた。当社の4~5月の複合機の国内販売台数は、前年同期比120%という高い伸びで推移した。特にカラー機が好調」と見る。
また、アフターコロナを見据えた取り組みが鍵を握る。野村護MFPソリューション統括部ソリューション企画部シニアエキスパートは「新しい働き方として、ハイブリッド型が定着する。オンプレミスとクラウドの両輪で対応していくことが必要だ。クラウドとの連携をさらに強化するとともに、紙と電子のインターフェースとしてのMFP(複合機)を活用したソリューションを展開していく」と話す。
同社は、主力シリーズのe-STUDIOシリーズが好評だ。複合機とクラウドサービスとの連携やスキャン機能、OCR機能を強化している。各種クラウドサービスと連携し、複合機から直接スキャンデータのアップデートや、データのプリントアウトが可能。原稿送り装置を利用した名刺スキャン機能のほか、非定型サイズにも対応を広げ、14種類の特殊用紙に対応できるのが特徴。
注力するデータエントリーソリューションでは、AI inside社とパートナー契約を結び、e-STUDIOシリーズからAI inside社が開発するAI-OCRへ直接スキャンデータをアップロードするソリューションを提供している。
ニューノーマル時代に対応、よりストレスのないリモート環境、出社レスの仕事の効率化を支援する機能を強化する。受信FAXのクラウド連携、さらにリモート保守機能など強化する。コロナ対策では、e-STUDIOシリーズを対象に「抗菌・抗ウイルスシート」の販売も開始している。
環境面に配慮した製品として、「消す印刷」と「残す印刷」を1台に搭載、紙のリユースを実現したハイブリッド複合機「Loops」シリーズを発売している。「コロナ禍でワークスタイルの変革やSDGsへの関心が高まっている。官公庁向けに加え、民需展開も本格的に行っていく」(野村シニアエキスパート)計画だ。