2021.07.02 【家電総合特集】アキュフェーズ鈴木雅臣代表取締役社長
販売店の製品試聴会など協力
顧客宅での試聴も積極推進
2021年で創立49周年となり、来年50周年を迎える。ここまで続けてこられたのは、創業時に掲げた「自らが感動する世界第一級の製品を製造し、正しく販売し、技術的にも営業的にも業界の質的リーダーになる」という基本理念を守り、こだわりのものづくりとお客さま目線のサービス体制を貫くことでお客さまの信頼を得られたことによるものと確信している。
国内の景気は業種間で差はあるものの、全体では緩やかに改善しておりハイエンドオーディオ市場もコロナ前に戻りつつあるという手応えを感じている。
中古品を入手したお客さまの製品を登録する「セカンドユーザー登録」を行っており、昨年末から登録件数が大きく伸びている。お客さまの目線が自宅内消費に向かっている証しと考えている。
販売店への客足も少しずつ戻り、しばらく中止されていた製品試聴会やイベントを行う販売店も増えてきた。高級オーディオ機器は、見て・聴いて・触れてみないと購入に結び付かないため、新型コロナ対策に万全を期しながら試聴会やイベントに協力していく。
同時にお客さま自身の環境でゆっくりと再生音の確認ができる自宅試聴も積極的に進めている。当社から販売店へ製品を貸し出し、販売店からお客さま宅へ製品を持ち込み1週間程度試聴できるようにしており、貸出機は全現行製品を複数台ずつ用意している。最近は貸し出し件数も増えている。
製品面では6月に発売したCD専用プレーヤー「DP-450」が好調。17年に発売した「DP-430」のモデルチェンジだが、上級機のSA-CD/CDプレーヤー「DP-570」で開発した技術を全面的に投入し、CDドライブメカニズムやD/A変換回路などの主要部分を新規設計したハイコストパフォーマンスモデルになる。上級機と同等の音色が得られると評判も良い。
来年の創立50周年に向けて、19年にプリメインのフラッグシップモデル「純A級プリメインアンプE-800」、20年にプリアンプのフラッグシップモデル「プレシジョンプリアンプC-3900」を50周年記念モデルとして市場投入した。
今年は第3弾としてSA-CD/CDプレーヤーのフラッグシップモデル「SA-CDトランスポートDP-1000」と「デジタルプロセッサーDC-1000」を8月中旬に発売する。DP-1000は防振・制振特性を向上させた超重量級の新開発SA-CD/CDドライブメカニズムを搭載。DC-1000は回路配置を全面的に見直し、雑音とひずみを低減する独自のANCC回路を搭載し極限的な雑音特性、ひずみ特性を実現した。
コロナ禍で自宅にいる機会が増え、スピーカーの前に腰を据えて音楽を聴く時間が増えたことで、音楽が生活になくてはならないものだと再認識している。これからも音質、品質などの全てに磨きをかけ、お客さまの音楽ライフを豊かにする製品を作り続けていく。