2021.07.14 日立、米グローバルロジックの買収完了「ルマーダ」の世界展開加速

 日立製作所は14日、米IT企業グローバルロジックの買収を完了したと発表した。米子会社を通じて完全子会社化した。グローバルロジックとの相乗効果を引き出し、主力のデジタル事業「ルマーダ」の世界展開を加速させたい考えだ。

 日立は3月末、グローバルロジックを96億ドル(約1兆600億円)で買収すると発表していた。

 顧客が持つデータから新たな価値を生み出すルマーダは16年に立ち上げ、経営の中核に据えて成長を追求してきた。22年3月期には、同事業で1兆6000億円の売上収益を目指す。海外は全体の約5割を占める見通しで、21年3月期の約3割から引き上げる。

 グローバルロジックは、システム開発とコンサルティングを組み合わせて顧客の課題を解決するデジタルエンジニアリング力などを蓄積する。日立はこうした強みを生かし、社会インフラのデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を後押しする新たなソリューションの開発を狙う。

 日立の東原敏昭会長兼CEOはグローバルロジックの強みを自社の技術や製品などに融合することで「社会インフラのDXを推進し、社会イノベーション事業のグローバルリーダーを目指す」とコメントを発表。グローバルロジックのシャシャンク・サマント社長兼CEOは「顧客には革新的な成果を、社会には大きな価値をもたらすことを切望する」とコメントを寄せた。