2021.07.14 自動欠陥分類AI搭載でウエハー検査効率化東レエンジニアリングが半導体ウエハー外観検査装置

半導体ウエハー検査装置「インスペクトラ」

 東レエンジニアリングは半導体ウエハーの外観検査装置「インスペクトラ」にAIによる自動欠陥分類機能(AI-ADC)を搭載し、検査工程の効率化を図る。

 インスペクトラは東レエンジニアリングの子会社、タスミットが製造。独自の良品学習アルゴリズムでターゲットの欠陥のみ検出し、ウエハー全数検査に対応する。成膜やパターンの欠陥や汚れ、数マイクロメートルの異物混入を検出する。

 AIを使った検査では欠陥と判定するための情報を付与するが、タスミットが開発した自己組織化マップ(SOM)は目標の欠陥画像を自動分類。作業者による微修正とAIによる再分類を繰り返すことで分類精度を向上させ、作業を効率化できるのが特長だ。

 形状や濃淡、周波数成分などの特徴量を用いて、作業者が判断できないような細かな分類も自動で行う。AI-ADCの活用で従来手法に比べ、分類や条件作成の作業時間は約6分の1に短縮、正答率は約9割に向上した。カラー画像による欠陥分類も可能で、イメージセンサーの検査にも威力を発揮する。

 見逃しや正常な製品を欠陥と判断してしまう過検出の抑制で、特に安全性の確保が要求される車載用半導体デバイスをはじめとした高度な検査ニーズに対応する。