2021.07.19 ヤマダHDが建材のナイスに40億円出資第三者割当増資引き受けで筆頭株主に
ヤマダホールディングス(HD)が、建築資材を手掛けるナイスに約40億円を出資し、資本業務提携を締結した。ナイスが16日に発表した。ヤマダHDはナイスが実施する第三者割当増資を引き受ける。持ち株比率は18%を超え、ナイスの筆頭株主になる。
ナイスは、ヤマダHDが11年に買収した住宅メーカー「エス・バイ・エル」をはじめ、同じく12年に買収したハウステック、昨年子会社化したヒノキヤグループと建築資材の提供などで取引があった。ヤマダグループとなってからも関係は続いており、「数十年来の付き合い」(ナイス広報部)とする。ナイスは、昨年8月頃にヤマダHDに提携を打診し、今年4月から本格的な協議を行ってきた。
ナイスは、調達した資金で、建築資材の物流センターや倉庫の新築、建て替えのほか、ケーブルテレビ事業における光回線設備への投資などを行う計画だ。
ヤマダHDは、家電販売を主力とする中で、住空間全体を提案できる商品構成や店づくりを戦略的に進めてきた。住宅事業は2020年度で約1906億円と、前年同期比1.5倍に拡大。昨年は、ヒノキヤに加え、住宅メーカーのレオハウス(東京都新宿区)も子会社化している。
今年6月からは、家電と非家電のラインアップを豊富に取りそろえ、住空間全体を提案できる大型店「テックライフセレクト」の全国展開を開始。1万平方メートル規模の広々とした店内を生かし、家具やインテリア雑貨、リフォーム、住宅などの提案を強化している。
ヤマダHDは、今回の提携で、住宅一棟分の資材を一括供給できるナイスとのシナジーを高め、住宅事業の強化につなげることを狙う。物流面でも相互メリットを引き出したい考えだ。
ナイスの20年度業績は、売り上げは約2141億円と2桁の減収だったが、粗利率の改善や不動産の売却、経費削減などの施策が奏功し、営業利益は3.7倍の約45億円だった。