2021.07.28 ヤマダHDが子どもの社会体験アプリに出店ファミリー層の来店促進狙う

「ごっこランド」の画面

 ヤマダホールディングス(HD)は、子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」に出店した。家電量販店として出店しているのは同社のみ。ヤマダは、小学6年生までを対象とした「ヤマダキッズカード」を昨年8月に導入し、ファミリー層の来店促進を狙うなど、カード戦略の幅を広げている。ごっこランドへの出店も、キッズカードの会員増につなげる狙いがある。

 ごっこランドは、ファミリー向けデジタルコンテンツ事業を展開するキッズスター(東京都渋谷区)が開発・提供している。現在、45社が出店し、ダウンロード数は累計415万に達している。

 出店に関しては、昨年11月ごろにキッズスターがヤマダにアプローチ。「出店企業は各ジャンルのリーディングカンパニーにお願いしている」(キッズスター担当者)とし、量販店最大手のヤマダHDに出店を依頼したという。

 ごっこランドのユーザーは、ヤマダの店員になってお客におすすめ商品を紹介するなど、アプリ内で職業体験ができる。日本マクドナルドや日本航空(JAL)、サントリーなど多彩な企業の職業を体験可能だ。キッズスターは身の回りにある商品や社会の産業などに関わる職業を一つのアプリで体験できるようにすることを目指しており、ヤマダとしても、今回の出店で若年層への認知度向上につながる利点がある。

 ヤマダキッズカードは、小学6年生までの子どもが入会金・年会費無料で加入できるものだ。会員は、アウトレット店など一部を除き、店頭に設置した「ポイントマシーン」を来店時に回せる。ポイントマシーンはスロットのようなゲームで、マシーンを回すことでキッズカードのポイントがたまり、所定のポイントで景品と交換できる。ポイントマシーンを回すには保護者の同伴が必要で、ファミリー層来店のきっかけに生かせる。

 ヤマダHD広報部は「キッズカードの評判はいい。会員も順調に増えている」とする。

 ヤマダHDは、ごっこランドへの出店を記念し、ポイントマシーンでもらえるポイント増額キャンペーンを今月30日まで実施するなど、キッズカードを活用した施策を打っている。