2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】グローセルルネサス製品で事業基盤確立

石井 社長

 グローセルは、中計最終年度の2021年度、自社ブランド製品の高感度半導体ひずみセンサーSTREAL(ストリアル)を軸としたIoTソリューション事業の拡大などにより増収増益を目指す。

 石井仁社長は「コロナ感染の先行きは不透明だが、業績回復と将来の成長に向けた布石に全力を挙げて取り組む。ルネサスエレクトロニクス製品を軸に、自動車・産業分野での拡販、新商材・新規ビジネスの取り組み強化、STREAL事業の拡大、海外ビジネスの拡大などを重点に取組んでいる」と述べる。

 ルネサス製品は自動車・産業分野を中心にデザイン・イン450億円を含む494億円の売り上げを見込む。自動車分野ではルネサスの先端製品を軸に自動運転のほか、車載バッテリーソリューションとして電圧、電流、熱の監視ICチューニング作業など独自のサポート力で事業拡大に取り組む。

 産業分野では環境発電とLoRa無線を活用したマンホールなどの状態監視システムをインフラ向けに、カメラ単体でAI処理を実現したソリューションを無人コンビニ、食品、流通、農業などに向けて提案する。

 新規ビジネスでは台湾ファブレス半導体メーカーであるSilicon Motion(シリコン・モーション)社の車載/産業用途向けBGAストレージをカーナビや統合コックピットなど車載向けに販売を拡大する。日本国内の主力Tier1企業との取引を広げ、新たに3社が採用を検討している。

 石井社長はSTREALについて「これまでに70社に出荷し、累計350万個、20年度売上高15億円というビジネスに拡大してきた。センサーメーカーとしての事業基盤を確立したい」と述べる。新たにMEMS超高感度センサーの開発にも取り組んでいる。

 協働ロボットのトルクセンサーの開発が進んだほか、風力発電や鉄道インフラ向け検査・メンテナンス最適化、工作機械や工具のデジタル化、熟練工の技術継承などのニーズにアプリケーションが広がっている。

 海外では中国・広州に新たな営業拠点を設け、華南地区のデザイン・イン活動を強化する。