2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】シナダイン機動力を強みに事業拡大へ

吉田 社長

 シナダインは1975年10月設立で、大手商社にはない小回りの利く機動力を強みに事業の拡大に取り組んでいる。

 PLDやアナログなどの各種半導体製品、電子部品からボードPC、電源モジュールなど国内外の多様な商材を取りそろえ、カスタム要求にも対応する充実した技術サポート体制を敷く。

 商材は米国、欧州、台湾など海外半導体メーカーを主力に扱う。台湾には2018年から現地法人を構え、特長のある商材を取り扱う。

 吉田一社長は「新型コロナウイルス感染症の拡大から、国内外の経済は徐々に回復の傾向にあるが、先行きの予断は許さない。一方で、IT活用によるリモートビジネスの進展に伴うソリューションサービスや、データ活用の高度化・自動化、さらにはデジタル革命などに伴う新たな需要も拡大している」と話す。

 同社は創業以来、堅実経営に徹し、毎年度、着実に収益を確保している。

 吉田社長は「成長性のある通信、ヘルスケア、産業機器、環境技術、航空宇宙などの市場開拓を進めている。通信では光トランシーバーや光パッシブ製品の売り上げが伸びている」と語る。

 さらに「第5世代移動通信規格5Gも本格的に立ち上がり、基地局向け光トランシーバーの需要が拡大している。ヘルスケアではこれまでMRIやCT向けなどのデバイスに加え、コロナ関連で新たな需要も広がっている」と話す。

 通信分野では新たに取り扱いを開始した台湾Pasidal社製のThunderbolt3アクティブ光ケーブルがある。

 USB3.1Gen1の8倍に相当する40ギガbpsの伝送帯域を有し、4Kディスプレーを2画面同時表示しながらデータ転送することも可能になる。最長50メートルのケーブル長で、フレキシブルな接続を可能にする。

 新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、需要が拡大している血中酸素飽和度(SpO2)を測定するスマートウオッチ型パルスオキシメーター向けに、反射式のPPGセンサーと同センサーモジュールの販売も開始する。