2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】カナデン新中計でカナデンDX推進

本橋 社長

 カナデンは、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に、国内だけでなく、海外でも日系企業を中心に中国・東南アジアで事業を展開している。

 2021年度から5年間の中期経営計画「ES・C2025」をスタートした。基本戦略に「持続的成長に向けた収益構造の強化」を掲げ、既存事業の競争力強化、新規成長分野の拡大、カナデンDXの推進などに取り組む。

 前中期経営計画(18~20年度)で、全社の技術ハブに位置付けるソリューション技術本部の設置、デジタルマーケティングの導入、調達や新規商材を発掘するタイ3社目の現地法人設立など、体制強化のためにさまざまな布石を打ってきた。

 本橋伸幸社長は「新中期経営計画が始動したが、技術にこだわる商社として、これまでの高付加価値ソリューションをさらに進化させ、収益性の向上を第一に取り組む」と力を込める。

 カナデンDXの一環として、SAP社の最新システムを導入し基幹システムを刷新する。本橋社長は「経営や事業のデジタルデータ化で『見える化』を実現する。在庫状況や営業活動などのデータを活用することで、事業課題を明確にして事業活動のスピードを上げる」と説明する。

 情通・デバイスでは、MFP(複合機)などOA機器向けを中心に売り上げを伸ばしているが、中国製も視野に入れた新規商材を拡大して多様な顧客に対応していく。工場などを対象にしたネットワークカメラのシステムソリューションの本格的な販売にも乗りだす。FAは国内外のPLCやサーボなど工場のリニューアルに伴う需要を狙う。

 海外ではタイ・バンコク市に置く、オフィスエフエイ・コムとの合弁による自動化システムの技術対応を担う「FACOM-KD(THAILAND)」の事業が軌道に乗り、ベトナムもエリアに含めて連携案件の獲得を強化する。

 ES・C2025では最終の25年度の目標を営業利益57億円、営業利益率4.5%以上、ROE8.0%以上としている。戦略的投資などにより新規分野で100億円の売り上げ創出を目指す。