2021.08.02 FUJI、産業用ロボ事業拡大水平多関節ロボ4機種追加

「SmartWing」に追加する水平多関節ロボット

小型多関節ロボット「SmartWing」小型多関節ロボット「SmartWing」

 FUJIは、小型多関節ロボット「SmartWing」を核とした産業用ロボット事業の拡大に取り組んでおり、同ロボット拡充の一環として新たに水平多関節ロボット「SW-RXS」4機種の受注を8月から開始する。

 同社は同ロボットや主力の実装機も含めて「ロボットソリューション事業」に位置付け、実装機をプラットフォーム化してスマートファクトリーの幅広い需要に対応する戦略を推進している。

 SmartWingは2017年から本格的に販売している。ナット&ワッシャー配膳、ねじ締め、ねじ配膳、パッキング、バラ部品整列、部品仕分け、チューブ挿入などの作業の自動化に適する。ティーチング不要の特徴を生かし、設置後すぐに使えるロボットとして電子部品をはじめとした電子機器業界など、多様な業界に販売している。

 SmartWingの製品群に、新たに加えた水平多関節ロボット4機種はSW-RXS3-R40(可搬重量3キログラム、リンク長400ミリメートル)、SW-RXS6-R50(同6キログラム、同500ミリメートル)、SW-RXS6-R60(同、同600ミリメートル)、SW-RXS6-R70(同、同700ミリメートル)の品ぞろえ。

 単純な人手作業の自動化ニーズに応えるため、設置の簡素化や使いやすさを追求した。シンプルな構造でスリムなロボットアームのため、省スペースでの設置が可能。独自開発のソフトウエア「Job Editor」でプログラミング作業をサポートする。組み立て・搬送・配膳など幅広い工程や用途に対応する。

 製品群を拡充することにより、同社が推奨しているロボットの周辺装置を含めたパッケージ提案を強化し、今後さまざまな自動化のアプリケーション提案を可能にする。

 SW-RXSは、初年度175台、次年度350台の出荷を目指している。

 同社はロボット事業強化のため、米国現地法人フジアメリカ(イリノイ州)を通じて、米国の人工知能(AI)触覚ロボット技術のスタートアップ企業・RIOS(カリフォルニア州、18年設立)に20年7月に出資している。

 RIOSは触感だけでなく、圧力や温度など多種なセンシング部とAIを活用した知能部を一体化し、コンパクトなモジュールとして提供する技術を所有している。この技術をロボットハンドに採用することにより、最適な把持(はじ)だけでなく、滑り検出、表面形状やテクスチャーの検出が可能になる。同技術はロボット搬送だけでなく、さまざまな用途に展開できる可能性を持っている。

 SmartWingのアドバンストロボセルシリーズとして、これまでの手作業による基板組立工程を自動化する基板組み立てロボセルSW-BAを開発、製品化し、4月から受注を開始した。実装業界において異形部品の実装など、これまでの手作業による基板組み立て工程を自動化したい、というニーズの高まりに対応して製品化した。

 手作業を自動化するために必要となるさまざまな機能をパッケージ化して提供することで、顧客における構想設計を不要とし、低コストで導入しやすい製品の開発を進めた。

 SmartWingの用途開発で協業を進め、これまでにスリーブはんだ付け装置を組み合わせた「デジタルポイントはんだ付け装置」などを開発している。