2021.08.02 日本オラクル DX実現へCX事業強化サブスク管理の最新機能提供開始

竹内 理事竹内 理事

桑野 理事桑野 理事

 日本オラクルは、さまざまな業種で進む顧客接点強化のニーズに対応、カスタマー エクスペリエンス(CX、顧客体験)ソリューションを強化する。同社は7月29日、オンライン会見で2022年度(6月期)の重点戦略の一つ「DXの加速」を実現するCXソリューション戦略と、サブスクリプション管理の最新機能の提供開始を発表した。

 22年度の重点戦略として①デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の加速②ミッション・クリティカルなシステムのクラウド化③次世代社会基盤の実現支援④パートナー・エコシステムの拡充を推進していく。

 会見で桑野祐一郎理事クラウド・アプリケーション事業統括CXクラウド事業本部長は「単なるデジタル化にとどまらず、真のデジタルによるDXを実現していくため、CX事業を強化していく」と意気込む。

越えるべき課題

 今、さまざまな業種、企業でCXを取り入れる動きが本格化している。しかし、CX導入を成果につなげていくためには、越えるべき課題も少なくない。桑野理事は「データの取得、人材、IT(情報技術)、顧客接点管理が重要になる」と強調する。

 同社では、顧客のDX加速の視点で、CX事業を強化する。重点施策の一つは、フロントオフィスとバックオフィスをつなぐ「すべての顧客タッチポイント」で、最高のエクスペリエンスを提供するデータドリブンCXの推進だ。また、新たな販売チャンネルでの顧客発掘、育成、販売までのトータルなサポート、人工知能(AI)や機械学習など最新テクノロジーの活用によるハイパーパーソナライズを加速させる。これらの施策を通して「あらゆる顧客接点で最適なCXを構築していく」と語る。

 今回、企業の長期にわたる顧客関係を構築し、収益の拡大を支援するCX施策の一つとして、CXのサブスクリプション管理の最新機能の提供を発表した。

 竹内尚志理事クラウド・アプリケーション事業統括CXソリューション・エンジニアリング本部長は「当社は、すべての事業領域でSaaSソリューションをシングルデータソース(垂直統合)で提供、DXを支援していく」と、同社の強みを強調。CXソリューションとしては、顧客データを集約し、AI、機械学習によるデータの強化でリアルタイムな判断、アクションを実現するカスタマーデータプラットフォーム「Oracle Unity(オラクル ユニティー)」、企業の新たな収益源の創出を支援する「オラクル サブスクリプション マネージメント」を重点的に展開していく方針。

 こうした戦略の一環として、今回、オラクル サブスクリプション マネージメントの最新機能を提供開始する。新機能は「解約などサブスクリプション特有の問題に対応するとともに、顧客との長い関係の維持、顧客体験の向上」(竹内理事)を目指す。

 主な新機能として、解約可能性の予測、ロイヤリティーの高い顧客への報奨、顧客のサブスクリプション管理機能、サプライチェーンへの対応など強化している。