2021.08.05 富士通 イタリア企業とAIサービスで合意金融業界向けに導入支援

 イタリアのソリューションベンダー、LARUS社と富士通は、人工知能(AI)スコアリングプラットフォームサービスで合意した。

 LARUS社は、同社のサービスに富士通のグラフ構造データを分析するAI技術「Deep Tensor」を機能追加したAIスコアリングプラットフォームサービスを組込み、8月から金融業界向けに提供開始する。富士通は、日本市場に向けて、同サービスの導入支援を行う。

 LARUS社は、グラフデータベースを提供するNeo4j社のイタリアにおける最大のパートナーで、15年以上にわたり世界の大企業を対象に、大規模かつデータドリブンなシステム構築を行ってきている。特に、AIによるグラフベースアプローチで、企業が持つデータからビジネス洞察を導きだすことに優れている。

 今回、同社のグラフデータベースプラットフォームに、富士通のAIスコアリングプラットフォームサービス「Finplex EnsemBiz(フィンプレックス アンサンビズ)」を組み込み、新サービス「Galileo XAI」として提供開始する。

 フィンプレックス アンサンビズは、主に金融機関向けにAIの予測根拠と次のアクションを示すことで、ローン審査の効率化や不正請求検知などを行うサービス。

 新サービスにより、従来できなかったグラフ構造データに対する精度の高い分析が可能になる。これにより、金融機関において、循環取引など高度かつ複雑な不正取引の自動検知など、金融機関のリスク低減およびコスト削減に貢献できる。

 今後、LARUS社は、Galileo XAIを金融業界だけでなく、政府、教育、製造、製薬などの各業界へも展開していく。富士通は、Galileo XAIを通して、日本の金融機関における不正取引の検知率向上に努めていく。