2021.08.05 豆腐の割れなどAIで自動判定日本IBMが開発支援

 日本IBMは、四国化工機(徳島県北島町)の割れや欠けのある豆腐を自動判定し検品する、豆腐業界では初めてとなるAIラインピッキングシステム「STI-ALPS」の開発を支援した。

 近年、豆腐業界は原材料の値上がりや後継者不足などの理由から地域密着型の個人商店から広域流通に対応できる企業に集約する流れが顕在化している。

 また、昨年、国の基準改正により国内で常温流通が可能になったことで、無菌充填豆腐の製造技術を有する四国化工機への需要が増加していた。

 そのため、四国化工機では、主力製品の豆腐の品質向上と増産を目指して人工知能(AI)の活用に加え、複数のロボット装置や無人搬送のフォークリフトを備えた阿南食品工場新棟を新設し、スマートファクトリー化を推進してきた。新棟は全ての機器の状況が一元管理できるIoTが導入され、このほど本格的に稼働を開始した。

 STI-ALPSは大量の画像データをAI学習して良品・不良品の〝特徴〟をモデル化し、負荷の高い検品業務を自動化、省人化して製造ラインから自動的に取り除く。複数のカメラを活用して上面・側面・底面に加え、分割パックの内側も検査が可能。これまで長年の経験が必要だった検品の自動化で、作業の速度や精度の向上、品質の安定、コスト削減を目指す。

 日本IBMでは、これまで多くのプロジェクトで培ってきたノウハウをもとに、今後も製造工程での品質管理の向上と業務の効率化に向け貢献していく。