2021.08.24 【地域店 防災・減災商品の取り組み】アスカTADAでんき 福井県大野市 多田光彦社長
防災セットを販売するアスカTADAでんき
集中豪雨やそれに伴う河川の氾濫が全国で相次いでいる中、災害に対応する商材への注目が集まっている。地域電器店では、地元に根付いている強みを生かし、その土地に合った対策商品を提案している。過去にあった災害を教訓にして、適切な商材を提案する店や、今後起こる可能性がある災害に対して備えを提案する動きもある。各店の取り組みを追った。
いざという時に防災セット販売
東芝ストアーのアスカTADAでんき(福井県大野市、多田光彦社長)は、いざというときに備えて一般家庭に設置しておくための防災道具として、防災セットの販売を行っている。
同店の近隣に位置する福井市南東部では、2004年に同市美山町を中心とする「福井豪雨」と呼ばれる豪雨災害が発生した。この災害では、1時間に96ミリメートルの猛烈な降雨量を記録した。
足羽川や付近にある河川の堤防が決壊し、住宅の床上、床下浸水は、1万3000世帯を上回る甚大な被害となった。
現在もなお、福井市や福井県により足羽川の護岸強化、河川整備計画が進められている中、昨今の全国的な台風、豪雨被害から、市民にも防災の必要性を考えざるを得ない状況が続いている。
同店の窓口担当を行う多田みゑ子夫人は「当店では、昨年、さまざまな防災グッズが一つになった防災セットを購入するお客さんが数件ありました。今年はまだ受注はしていないのですが、災害は被害が起こる前に備えがあることが大切。お声が掛かればいつでも提供できるようにしています」と、地域の安全を守る役割につなげたいと話している。