2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】日立ソリューションズ 山本二雄社長

山本 社長

建設・不動産のデジタル支援加速

 2021年度は、これまで掲げている製造業や流通業へのデジタル化や働き方改革の支援、セキュリティー支援といった成長7事業をさらに強化するとともに、マイクロソフト関連事業を軸にした海外事業を加速させる。併せて、建設・不動産業界の支援にも本格的に乗りだしていく。

 新型コロナウイルスの拡大で20年度はSI案件などに影響が出たものの、働き方改革の支援や海外から発掘してきた先進商材が好調に推移し、営業利益は過去最高を達成した。

 21年度も、製造業向けERPをはじめ、海外ではマイクロソフトのERP「ダイナミクス」を中心としたクラウドサービスが拡大し、第1四半期も営業利益が過去最高となった。製造業などでは競争力を強化するためにシステム刷新が急務となっているところも多いことから、この流れは続くと見ている。

 コロナ禍で市場環境に不透明感はあるが、これまで取り組んできた各種施策が着実に成果になってきた。

 特に米シリコンバレーなどの先進ソリューションの発掘を目的に進めるベンチャーキャピタルを活用した事業が拡大。海外の先進商材の売り上げは20年度に100億円を超えるまでになった。商材を売るだけでなくSIまで含めて提案できる強みが生かせている。

 21年度後半は、ゼロトラストセキュリティーへの対応を進めるほか、仮想空間でのイベント支援にも力を入れたい。新領域では、デジタル化が遅れている建設・不動産業界の支援を本格化する。7月にアギャ・ベンチャーへ出資。建設テックとスマートビル事業に取り組んでいく。

 海外はマイクロソフトとの連携を密にし、デジタル化の支援を進めていく考えだ。

 顧客支援や営業支援の基盤を持つ強みを生かして取り組むインサイド(非対面)セールスも成果を上げている。この一年で、非対面の営業活動で大型案件を獲得する事例も出てきた。

 引き続きニューノーマル時代に対応した営業を強化し、案件獲得を進めていく。