2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】内田洋行 大久保昇社長

大久保 社長

GIGAスクール後の支援推進

 この一年は新型コロナウイルスの影響を一部で受けているものの2020年7月期はウィンドウズ10の更新需要や教育ICTの拡大などにも後押しされ、30年ぶりに過去最高売上高を更新し最高益を達成した。21年7月期はGIGAスクール構想によるICT機器納入があり通期業績見通しを上方修正した。計画通り着地できれば過去最高を更新できる見通しだ。

 GIGAスクール構想により、学校のICT化が一気に進んだ。ただ多くの学校は端末を導入した段階で、本当の利活用はこれからになる。長年教育ICTに取り組み「学び方変革」を提唱してきた当社は、教員支援のサービスや教育ポータルも展開しているため、端末導入だけでなく、GIGAスクール後の支援にも取り組んでいく。

 学び方変革と並行して提唱している「働き方変革」への取り組みも進む。数年来、オフィスワーカーの生産性を高めるために社内実践をしながらオフィス環境構築とICTを組み合わせた新しい働き方を提案してきた。この一年はコロナ禍でオフィスの在り方を見直す動きが出ており、オフィスリニューアルの案件も増えてきた。テレワークをはじめさまざまな働き方を効果的に行うためのICT基盤「スマートオフィスナビゲーター」を前面に訴求していきたい。

 22年7月期のスタートを機に、顧客の課題に対し総合的に技術支援できる体制を構築した。これまで縦割りになっていた組織を横断的に見られるよう「統括」を設置。教育ICTや自治体向けの組織を「公共ICT統括」が、教育施設や地域の民間企業向け組織を「地域施設統括」が、システムエンジニアなどのICT関連を「ICTエンジニア統括」が、それぞれの部署をまとめて推進できるようにした。

 22年7月期はGIGAスクール構想の一時的な需要はなくなるが、学校でのICT利活用支援や企業の働き方変革の領域で新たな需要も出てきている。デジタルでトランスフォーメーション(変革)していくことをキーワードに、築き上げた顧客基盤をさらに強固にしていく。