2021.09.03 【電波時評】作家の慧眼に思う「社風」再興

 井上ひさし氏は、知る人ぞ知る「社史マニア」。古書店から、企業の周年史など軽トラック1台分ほど買ったこともあると取材で伺った。「戦中の企業の状況を横断的に読むといった活用もできる。神は細部に宿る。社食のメニューから働き方もうかがえます」。汗牛充棟の蔵書家、名うての読書の達人だけに、さもありなんと小欄子も納得した。

 そんな逸話を思い出した契機は、三菱電機の検査不正を巡る会見。ものづくり・日本を代表する企業トップとしての思いを問わ...  (つづく)